12年度の国民医療費、過去最高の39.2兆円

2014年10月12日 20:54

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記事提供元:エコノミックニュース

 高齢者の増加により、医療費が増加し続けている。つまりこれは、現役世代の負担が増え続けていることも表している。国民が医療機関にて怪我や病気の治療に対してかかった費用の総額を示しものが「国民医療費」だが、8日、厚生労働省は2012年度の国民医療費を発表。それによれば、総額は39兆2117億円であり、過去最高の金額となったことがわかった。

 過去最高の金額となった12年度の国民医療費だが、しかし11年度からの伸び率は1.6%と低い。1人あたりの医療費が高額な高齢者が増えたことが医療費増加につながったものの、12年度は診療報酬改定がプラス0.004%とほぼ横ばいという結果であり、また平均在院日数が減ったこともあり、大きく伸長することはなかった。

 国民医療費全体のうち、7割は入院や外来で支払われる医科診療医療費で、こちらは前年比1.8%アップの28兆3198億円という結果であった。このうち、入院に対して支払われたのは前年比2.7%アップの14兆7566億円、外来に支払われたのは前年比0.9%アップの13兆5632億円であった。

 また薬剤調剤医療費は前年比1.2%アップの6兆7105億円。これは例年よりも低い伸び率である、薬剤調剤医療費は傾向として5%以上の伸びを示すものだが、しかし医薬分業の伸びの鈍化や、12年度の薬価改定などが影響した模様だ。

 09年から11年度まで、国民医療費は毎年1兆円以上の増加をみせてきていたが、しかし12年度は約6200億円の増加にとどまった。厚生労働省はこの結果について、高齢化により医療費増加傾向が続いているものの、平均入院日数が減少傾向にあることなどから、増加は緩やかになったとの分析を示している。

 医療費の窓口負担は、「就学後~70歳未満」で3割、「70~74歳」で2割、「75歳以上」は1割と、年齢が上がれば上がるほど負担は少なくなる。しかし今後も続くであろう高齢化のことを考えると、高齢者の窓口負担の見直し、さらには現役世代の保険料なども当然検討せざるを得ない状況になることだろう。(編集担当:滝川幸平)

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