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東大、幼若期のストレスが脳の発達に与える影響を明らかに
今回の実験では、椅子取りゲームのような「社会的競争状態」をマウス実験で再現するため、マウスが飼育装置の中にある四つの水飲み場に殺到し大勢で奪い合う状況を作り出した。幼若期において社会隔離ストレスを受けた雄マウスは、この「椅子取りゲーム」に参加したがらないことがわかった(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学のベナー聖子大学院生・遠山千春教授らによる研究グループは、幼若期のストレスが脳の発達に与える影響を解明した。
これまでにマウスを用いた実験で幼若期のストレスが将来の脳機能の異常を引き起こすことは明らかになっているが、集団の中での行動がどのように変化するのかは不明であった。
今回の研究では、生後2週間に渡って毎日数時間家族と引き離されたマウスと通常のマウスを集団生活させたところ、水を奪い合う状況になった際に家族との隔離経験のあるマウスは水飲み場の占有率が大きく低下することが分かった。また、隔離経験のあるマウスでは神経形態制御に関わるとされるMap2が低下しており、競争優位性順位との相関も認められた。
今後は、本研究成果を活用して社会性の障害の治療薬や介入法の開発が加速することが期待されている。
なお、この内容は8月18日に「Physiology&Behavior」に掲載された。
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