小澤征爾が見守る中、サイトウ・キネンのオペラ『ファルスタッフ』が通し稽古

2014年8月18日 16:46

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記事提供元:Billboard JAPAN

小澤征爾が見守る中、サイトウ・キネンのオペラ『ファルスタッフ』が通し稽古

 サイトウ・キネン・フェスティバル松本で上演されるヴェルディ作オペラ『ファルスタッフ』が、8月16日に通し稽古を行った。

 『ファルスタッフ』は、ヴェルディが最後に手掛けたオペラ作品。2人の婦人を相手に金の無心を企んだ老騎士が逆に懲らしめられてしまうというストーリーで、劇中で2度も騙されたファルスタッフが「この世のすべては冗談だ。最後に笑った者こそが、本当に笑うのだ。」という印象的なメッセージで締めくくられる。悲劇を数多く生み出したヴェルディの集大成が、人間味あふれる笑いと希望に満ちた作品であったということは、多くの人々の感動を呼び、今もなお愛され続けている。

 今回、演出はデイヴィッド・ニース、指揮はファビオ・ルイージと、小澤征爾から信頼の厚い組み合わせ。さらにハワイ出身のクイン・ケルシーがファルスタッフ役に初挑戦となる。本番さながらの衣装と舞台セットで行われた12日の通し稽古では、ファルスタッフ役のクイン・ケルシーが堂々としたろくでなしっぷりで客席を沸かせ、マイテ・アルベローラ演じるアリーチェ、ジェーン・ヘンシェル演じるクイックリー夫人、ジェイミー・バートン演じるメグが息の合ったアンサンブルを響かせた。そしてフェントン役のパオロ・ファナーレと、ナンネッタ役のモーリーン・マッケイはドタバタ劇をよそに順調に愛を育み、愛の二重唱では柔らかく甘美な歌声を重ね合わせた。そして特筆すべきは、サイトウ・キネン・オーケストラの鮮やかな音色。ファビオ・ルイージの指揮によって多彩な音が導き出され、どの楽器も生き生きと鳴り響いた。愛すべきキャラクターで溢れた本作は、8月20日より、まつもと市民芸術館にて幕を開ける。

◎サイトウ・キネン・フェスティバル松本
ヴェルディ作オペラ『ファルスタッフ』
8月20日(水)19:00開演
8月22日(金)19:00開演
8月24日(日)16:00開演
8月26日(火)19:00開演
会場:まつもと市民芸術館・主ホール
チケット情報:http://www.saito-kinen.com/ticket

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