京大、湖水中で脱窒メタン酸化細菌が優占していることを発見

2014年8月8日 20:39

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調査地点での湖水環境と脱窒メタン酸化細菌の生息環境の概要を示す図。溶存酸素が枯渇し、メタンが供給される水深90m付近(図中着色部)で脱窒メタン酸化細菌が優占していた。(京都大学の発表資料より)

調査地点での湖水環境と脱窒メタン酸化細菌の生息環境の概要を示す図。溶存酸素が枯渇し、メタンが供給される水深90m付近(図中着色部)で脱窒メタン酸化細菌が優占していた。(京都大学の発表資料より)[写真拡大]

 京都大学の奥田昇准教授らによる研究グループは、亜熱帯ダム湖の湖水中で脱窒メタン酸化細菌が優占していることを発見した。

 メタンは強力な温室効果ガスで、淡水湖沼はその主要な放出源の一つになっている。これまで、湖底で生成されたメタンの大半を消費しているメタン酸化細菌のうち、脱窒メタン酸化細菌の相対量は小さいと考えられていた。

 今回の研究では、台湾北部のダム湖で微生物細胞を採取し、遺伝子配列を解析したところ、脱窒メタン酸化細菌は全微生物細胞の16%と、最も優占しているメタン酸化細菌であることが明らかになった。

 研究メンバーは、「脱窒メタン酸化細菌は、メタンのみならず湖沼の窒素循環を駆動する微生物として、注目されています。(中略)今後、その生態を解明することによって、湖沼生態系の炭素・窒素動態の理解が深まると期待されます」とコメントしている。

 なお、この内容は「Scientific Reports」に掲載された。

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