1950年代の抗生物質乱用によって耐性が高まった細菌

2014年8月8日 09:26

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 仏パスツール研究所によると、1950年代に無分別に使用された抗生物質「テトラサイクリン」の乱用により細菌の耐性が高まり、新生児の感染リスクが増大したそうだ(AFPBBニュース)。

 耐性が強まったとされているのは「B群溶血性レンサ球菌」。この菌は腸や尿路、生殖管などに常在するごく一般的な細菌で、全人口の15~30%がこの細菌を保持、通常は健康を害することはほとんどないという。しかし出産時に、新生児が羊水を通じて細菌にさらされた場合には危険で、致死性の肺炎や髄膜炎、血液感染症などを引き起こす可能性があるとされる。

 第2次世界大戦後、このB群溶血性レンサ球菌対策のために、抗生物質であるテトラサイクリンが過剰に使用された。その結果、多くの株は一掃されたが、耐性の強い株が生き残ってしまった。現在では人体内に存在するGBSの90%はこの耐性菌になってしまったという。この劇症型の株は、新生児に慎重な予防措置を施さない場合、危険になるとしている。

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