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市販アルカリイオン整水器が放射性セシウムとヨウ素を高効率で除去=九州大
アルカリイオン整水器による水道水中の137Cs(A)と、125I(B)の放射能除去効率を示す図。●はアルカリイオン整水器通過前、○は通過後の放射能レベル(九州大学の発表資料より)[写真拡大]
九州大学の白畑實隆教授らによる研究グループは、家庭用のアルカリイオン整水器が放射性セシウム・放射性ヨウ素イオンを効率よく除去することを明らかにした。
福島第一原発事故以来、様々な除染方法が模索されているが、これまでアルカリイオン整水器が放射性物質を除去するかどうかについては評価されていなかった。
今回の研究では、多くの学術論文によって詳細な性能が解明されている株式会社日本トリム社製の水道蛇口直結型アルカリイオン整水器を用いて、放射性物質の除去効率を調べた。その結果、マイクロカーボンカートリッジによって300Bq/kgのセシウム137は99.2%、150Bq/kgのヨウ素125イオンは99.5%以上除去されることが分かった。さらに、同整水器により作られる電解還元水(EWR)の放射性活性は、セシウム・ヨウ素イオン共に検出限界であることも明らかになった。
今回の研究成果は、マイクロカーボンカートリッジフィルターを装備した市販アルカリイオン整水器が水道水中に含まれる放射性セシウムとヨウ素がを効率的に除去できることを明らかにした。また、アルカリイオン整水器が作る電解還元水が、体内に取り込まれた放射性核種に対して防護効果を持つことが推測される。
この内容は、7月16日に「PLOS ONE」オンライン版に掲載された。
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