地球磁場の弱体化による異常気象リスクは排除されず

2014年7月16日 13:42

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記事提供元:フィスコ


*13:42JST 地球磁場の弱体化による異常気象リスクは排除されず
先週末、北米で「北極からの旋風の到来で、今週央辺りから異常低温に見舞われる」可能性が警告された。昨日時点で報道は無く、発生していないようだが、カナダと米・中東部が該当し、米西部は逆に異常高温となる可能性があるとされた。また、12日、仏気象局の発表によると、「南極の仏基地で、6月としては過去最低気温を記録(平均気温−22.4℃、1956年からの平均比-6.6℃)した」。南極は過去最高ペースで氷面積が拡大しているが、寒冷化を示していると受け止められる。エルニーニョ・リスクは遠のいたところであるが、異常気象リスクは去っていないと思われる。

異常低温や暴風雨の発生に、「ポールシフト」(極地の移動。現在、北極点はロシア側に1100km程度移動していると見られている。これによりジェット気流の蛇行が激しくなり、北極寒気が南下、暖気流とぶつかり易くなっている)説が有力だが、欧州宇宙機関の観測衛星スウォームの観測で、「過去6ヵ月間で地球の磁場が非常に早いスピードで弱体化している」ことが報告された。「ポールシフト」の究極は磁場の反転(北極と南極が入れ替わる)だが、地球は約3億年の間に400回程度の磁場反転を繰り返してきたとされる。

数万年から数10万年単位の現象で、1880年から2000年までで5%程度の磁場の弱まりが観測されていた。今回のスウォームの観測では、「10年で5%程度の弱まり」と報告されている(スピードが10倍程度に)。また、磁場強度の偏在が米ライヴサイエンス誌に取り上げらており、北南米から南極が弱く、インド洋が高く、日本周辺の東アジア地域も比較的高い地域となっている。《MK》

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