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小売業、外食産業などで「人手不足」が表面化 14年上期の倒産数は137件
アベノミクスや公共事業の増加などで建設業をはじめ、小売業、外食産業など幅広い業種で「人手不足」が表面化している。企業業績が拡大する一方、「人手不足」は「職人不足による工事の遅滞や中止」、「製造現場での従業員不足による生産の遅れ」、「外食産業での営業時間短縮や店舗閉鎖」など、幅広い産業に広がり、「求人難」による倒産も発生している。
株式会社東京商工リサーチは8日、「人手不足」関連倒産の2014年上半期合計の結果を発表した。同社はこれまでも「人手不足」関連倒産を集計していたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だった。
だが、最近の「人手不足」の深刻化に伴い「求人難」型が出始め、2014年上半期(1~6月)累計は、「後継者難」型が121件、「従業員退職」型が6件、「求人難」型が10件(前年同期2件)、合計137件だった。事業継承の課題が深刻化していることを背景に「後継者難」が圧倒的だが、「求人難」型は6月だけで5件発生するなど今後の増勢が懸念されているとした。
また、最近の倒産で人件費高騰による負担増から資金繰りが悪化したケースも出ているという。「人件費」上昇が影響した倒産は、2014年上半期の累計は10件(前年同期4件)判明した。業種別では、建設業を中心に、自動車貨物運送業やサービス業でも発生している。
さらに、売上(受注)が伸びても、収益アップが伴わない「利益なき繁忙」で苦慮する企業も少なくないという。こうした低収益企業は、人手不足や人件費上昇が経営課題の新たな重荷になってきているとしている。(編集担当:慶尾六郎)
求人難、人手不足、人件費上昇などといった言葉を目の当たりにするのは、いつ以来だろうか。求職者にとっては、求人状況が改善されても肝心の企業がなければ意味はない。長らく続いた買い手市場から売り手市場への転換に、本格的な対応が企業に求められている。
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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