ルネサス、8月に早期退職者を募集

2014年7月10日 22:56

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

 今年の6月に連結子会社の全株式を売却するなど、経営再建中のルネサスエレクトロニクス<6723>だが、9日、新たな施策を発表した。ルネサスエレクトロニクスは9日、 グループ内の設計・開発部門の再編に伴い、早期退職者を募集すると発表した。本社(東京都千代田区)と子会社の設計・開発部門の社員5900人のうち、約800人を対象に希望者を募る。

 今回の早期退職者募集は、8月1日付で行われる、ルネサスエレクトロニクスの100%子会社3社の設計・開発部門の再編に伴うもので、募集人数は未定。8月7日~21日の期間で募集が行われ、退職時期は9月末を予定している。希望退職者には退職金の上積みを行うとしている。

 8月1日付で再編される子会社は、ルネサスソリューションズとルネサスシステムデザイン、ルネサスエンジニアリングサービスの3社で、それぞれの設計・開発部門をソフトウエア開発、ハードウエア開発、開発支援の3機能に再編する。ソフト開発をルネサスエレクトロニクスに、ハード開発をルネサスシステムデザインに、開発支援をルネサスエンジニアリングサービスに集約させるとしている。

 ルネサスエレクトロニクは2012年、13年にも希望退職者の募集を行っており、12年には約7500人、13年には約3000人の社員がそれに応じて退職した。直近では今年の3月にも、早期退職者の募集が行われている。3月の募集は製造子会社の再編に伴い行われたもので、2月28日から3月7日までの期間募集し、3月31日付の退職に696人が応募した。ルネサスエレクトロニクスの今年3月末の時点でのグループ人員数は2万7200人で、今年の初めから16年3月末にかけて、このうち5400人を削減するとしている。すでにその方向で労働組合とも協議が行われており、今回の早期退職者募集もその一環とみられる。

 産業革新機構などから、合計1500億円もの出資を受けているルネサスエレクトロニクスではあるが、これまで4年連続の最終赤字を計上しており、今回の設計・開発部門の再編、また人員削減により、経営状況の改善を目指す。(編集担当:滝川幸平)

■関連記事
どこまで続くルネサスの迷走 表示ドライバIC事業をシナプティクスに売却
電気機器業界の他社牽制力ランキングトップはパナソニック
ルネサス、営業損益3期ぶりの黒字化
ルネサスがインド進出で巻き返しを図る
合併企業は3年連続で3000件台後半に 製造業の増加率目立つ TDBが調査

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事