モメンタム株の動向で個人の需給状況を見極め/東京株オープニングコメント

2014年7月9日 08:01

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記事提供元:フィスコ


*08:02JST モメンタム株の動向で個人の需給状況を見極め
 9日の東京市場は不安定な相場展開になりそうだ。8日の米国市場は4-6月期決算発表を前に利益確定の流れが優勢となり、NYダウは17000ドルを割り込んでいる。シカゴ日経225先物清算値は大阪比85円安の15255円だった。円相場は1ドル101円50銭辺りと、円高傾向で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、日経平均は前日の安値水準をつけてくると考えられ、支持線として意識されている25日線での攻防になりそうだ。まずは同水準での底堅さを見極めたいところ。また、米国ではアルミ最大手のアルコアの決算が発表された。売上および利益がコンセンサスを上回ったとして時間で上昇しており、安心感につながる。

 一方、ソーシャルメディアやバイオ株など、モメンタム株と呼ばれる銘柄群に売りが広がっている。この流れを受けて、個人主体による活発な売買が続いている新興市場を中心とした中小型株への利益確定の流れが強まる可能性がある。

 既に昨日辺りには値がさ株から仕手系色の強い低位株に物色対象がシフトしていたこともあり、影響は限られると考えられる。しかし、仕手系色の強い低位材料株に短期資金がシフトする状況は、やや質の悪さが感じられる。値がさの中小型株などと比べて資金回転は鈍いため、値動き次第ではシコリを残す格好となり、需給悪化が警戒されてくることもあるだろう。

 中小型株や低位材料株の動向を見極めつつ、アルコア決算の流れから大型株へのシフトを意識したいところか。もっとも、中小型株については信用規制等にも崩れない現在の好需給状況をみると、売り一巡後の切り返しなども意識されやすいだろう。《TN》

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