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九大、水素の金属容器透過によって真空が生成されることを明らかに
水素容器内の圧力の変化を示すグラフ。黒い実践は実験結果。赤い点線は圧力減少から測定された透過率を用いて理論的に推定された圧力の変化(九州大学の発表資料より)[写真拡大]
九州大学の高田保之教授らによる研究グループは、金属容器に水素を充填すると、水素が壁を透過して内部が真空になることを明らかにした。
日本では、燃料電池自動車の商用販売開始時期が近づいており、水素を保管・供給する施設の建設が進められている。既に水素が物質を透過しやすいことは知られているが、その測定精度にはバラつきがあり、詳細なデータが必要とされていた。
今回の研究では、金属をコイル状の管にした容器に水素を充填して、周囲を窒素で覆うことで透過率を測定した。その結果、300℃以上の高温で水素が外部に漏洩し、最終的には内部が真空になることが明らかとなった。
そのメカニズムは、容器内側の表面で水素分子が水素原子2つに別れて金属内を移動し、容器外側の表面で再び水素分子に戻っていると考えられる。
今後は、他の容器においても水素透過率を測定し、データベースを構築していく予定である。
なお、この内容は「International Journal of Hydrogen Energy」オンライン版で公開された。
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