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三菱商事、豪州の穀物会社を64億円で買収 東南アジア向け輸出を強化
三菱商事はシンガポールの農産物商社OLAM社から、豪州穀物会社OGA社の株式80%を取得して子会社化する。写真は、OLAM社のWebサイト。[写真拡大]
三菱商事は24日、増大する東南アジア向け穀物輸出を強化するため、シンガポールにある農産物商社OLAM社(Olam International Limited)との間で、OLAM社の保有する豪州穀物会社OGA社(Olam Grains Australia Pty Ltd社)の株式80%を約64億円で取得することで合意した。
OGA社は、東豪州ニューキャッスル港にある輸出ターミナル(New Castle Agri Terminal)の株式32.5%を保有し、年間100万トン超の穀物を取り扱っている。三菱商事は、OGA社の株式取得によって、豪州で初めて輸出ターミナルを運営することになり、その有効活用によって、穀物の集荷機能をより強化できるとしている。
三菱商事は、豪州ですでに100%子会社の配合飼料の製造・穀物集荷会社Riverina社を運営しており、OGA社への出資を機に、Riverina社との相乗効果を高め、競争力のある豪州産穀物の安定供給体制を構築することにしている。
豪州は、小麦の一大生産国であり、東南アジア向けの最大の輸出国である。近年、東南アジア諸国の人口増加や経済発展に伴う食生活の向上などにより、小麦需要が増加しており、地理的に近い豪州産小麦の重要性が高まっている。
三菱商事は、米国を始め、インドネシア、ブラジルなどで穀物会社に出資するなど、グローバルな形での食糧供給ソースの拡大に取り組んでいる。今回のOGA社への出資もそうした取組の一環であり、今後、アジアの新興国向けに、食糧のサプライチェーン構築を進めていきたい考えである。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)
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