東工大、有機結晶が光で溶ける現象を解明

2014年6月21日 20:18

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(a)今回の研究で対象にした長鎖アルキル基を有したアゾベンゼン誘導体、(b)紫外光照射によって結晶が溶けた様子を観察した顕微鏡写真(東京工業大学の発表資料より)

(a)今回の研究で対象にした長鎖アルキル基を有したアゾベンゼン誘導体、(b)紫外光照射によって結晶が溶けた様子を観察した顕微鏡写真(東京工業大学の発表資料より)[写真拡大]

 東京工業大学の星野学研究員・腰原伸也教授らによる研究グループは、有機結晶が光で融解するメカニズムを明らかにした。

 結晶に光を照射することで融解する現象は、有機材料の形成・加工の革新的技術として期待されているものの、そのメカニズムについては明らかになっていなかった。

 今回の研究では、放射光Xを利用して、長鎖アルキル基を持つアゾベンゼン誘導体の結晶が、紫外線によって融解するメカニズムを観察した。その結果、長鎖アルキル基が結晶の中で液体のように熱運動をしている領域と、光異性化反応による構造変化で整列構造が壊れる領域が共存していることが融解の原因であることが分かった。

 本研究成果は、有機材料の形成・加工のコストを大幅に削減することに役立つと考えれる。

 なお、この内容は「Journal of the American Chemical Society」に掲載された。

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