関連記事
北海道大など、南極の棚氷下で生物を発見
今回の研究で明らかになったラングホブデ氷河の断面図と研究成果の概要(北海道大学の発表資料より)[写真拡大]
北海道大学の杉山慎准教授らによる研究グループは、南極の棚氷の下を直接観測することに成功し、複数の生物が存在していることを発見した。
南極では、大陸沿岸で海に浮かぶ氷河「棚氷」が形成されている。その厚さは数百メートルにも及ぶため、これまで棚氷下のデータはほとんど明らかにされていなかった。
今回の研究では、昭和基地から約20km離れたラングホブデ氷河で、熱水掘削という技術を用いて、2ヶ所で棚氷下まで掘削することに成功した。その結果、棚氷下の海水は氷の融点より0.7℃高い水で満たされており棚氷底面を溶かしていること、オキアミや魚類やワラジムシの一種が生息していることが分かった。
この発見によって、南極氷床をとりまく棚氷の下すみずみまで生物が活動
していることが強く示唆された。
この研究成果は、南極沿岸での氷床融解の仕組みを明らかにし、将来の南極氷床の変動予測に役立つと期待されている。
なお、この内容は英国科学誌「Earth and Planetary Science Letters」に掲載された。
スポンサードリンク