京大、オオカミが視線を使ってコミュニケーションを取っている可能性を明らかに

2014年6月13日 17:45

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イヌ科動物の目の周辺の色彩パターンを示す図。Aタイプでは顔の中の目の位置、目の中の瞳孔の位置がともにはっきりしている。Bタイプでは、顔の中の目の位置だけははっきりしている。Cタイプでは、顔の中の目の位置も目の中の瞳孔の位置もわかりにくい。(京都大学の発表資料より)

イヌ科動物の目の周辺の色彩パターンを示す図。Aタイプでは顔の中の目の位置、目の中の瞳孔の位置がともにはっきりしている。Bタイプでは、顔の中の目の位置だけははっきりしている。Cタイプでは、顔の中の目の位置も目の中の瞳孔の位置もわかりにくい。(京都大学の発表資料より) [写真拡大]

  • 左から「Aタイプ」のオオカミ、「Bタイプ」のフェネック、「Cタイプ」のヤブイヌ 。(京都大学の発表資料より)

 京都大学の植田彩容子教務補佐員・幸島司郎教授らによる研究グループは、イヌ科動物の顔の色彩パターンと仲間を見つめる時間の長さから、オオカミが視線を使ってコミュニケーションを取っている可能性が高いことを明らかにした。

 イヌ科動物の目の周辺の色彩パターンを比較すると、大きく3つの種類に分けることができる。その中でも、オオカミなどのAタイプは黒く縁取られた虹彩(眼の色)が非常に明るく、目の位置が分かりやすく、視線が目立ちやすい。一方、これまでイヌ科動物の顔の色彩が持つ役割については研究がおこなわれてこなかった。

 今回の研究では、オオカミなどAタイプの動物は3頭以上の群れで生活する種が多いこと、そして仲間と顔を向け合っているときの長さが3.3秒で、Bタイプの2.0秒、Cタイプの1.4秒と比べて長いことが分かった。これは、オオカミが視線を使ってコミュニケーションを取っていることを示唆している。

 この内容は、6月12日に「PLOS ONE」オンライン版で掲載された。

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