京大、共感や自己感情表現が少ない人ほど燃え尽き症候群になりやすいことを明らかに

2014年6月5日 18:34

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脳活動強度と燃え尽きレベルの関係を示した図(京都大学の発表資料より)

脳活動強度と燃え尽きレベルの関係を示した図(京都大学の発表資料より)[写真拡大]

 京都大学の高橋英彦准教授らによる研究グループは、機能的MRIを用いて医療関係者の脳の働きを調べ、共感や自己感情表現が少ない人ほど燃え尽き症候群の傾向が見られることを明らかにした。

 現在、医療関係者のメンタルケアは大きな課題となっているが、これまでに燃え尽き症候群に関して予防に繋がるような脳科学的な研究はおこなわれてこなかった。

 今回の研究では、経験の浅い現役看護師25名に対して、機能的MRIを用いた脳の活動を測定した。すると、燃え尽き症候群の傾向が大きい人は、脳内の前部島皮質と側頭頭頂接合部の活動が弱いことが明らかとなった。これは共感に関わる脳活動が弱い人ほど、感情の自覚・表現が不得意で、燃え尽き症候群になりやすいことを示している。

 今後の発展について、研究者は「医療や介護にたずさわる職員に対する燃え尽き症状改善プログラムの開発も目指します」とコメントしている。

 なお、この内容は6月3日に米国科学誌「Translational Psychiatry」に掲載された。

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