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筑波大、昆虫の脳内で人工的に連合記憶を形成させることに成功
実験では、青色光と赤色光を照射して区分けした寒天培地上で、遺伝子組み換えショウジョウバエが、有意に青側に寄る行動を示した。この行動変化が連合学習の成立を意味する(筑波大学の発表資料より)[写真拡大]
筑波大学の古久保-徳永克男教授らによる研究グループは、遺伝子組み換えショウジョウバエの脳内で、匂いと報酬という異なる2つの刺激を関連付けて学習させることに成功した。
動物には、匂いと食物など2つの刺激を関連付けて記憶・学習する「連合学習」という機能が備わっているが、その神経回路のメカニズムについては明らかになっていなかった。
今回の研究では、まず、光遺伝学の技術によって青色の光を当てると匂い感じるように、さらに熱遺伝学の技術によって熱を与えると報酬を感じるように、遺伝子操作をしたショウジョウバエを作製した。
本来、ショウジョウバエは青い光を避ける蛍光にあるが、この遺伝子操作をしたショウジョウバエに光と熱を同時に経験させると、青色光に寄る行動を示した。これは、光と熱の同時刺激によって、匂いと報酬が関連付けて記憶されたからであると考えられる。
今後は、神経回路が活性化する様子を可視化することや、今回確立された効率のよい嗅覚連合学習の誘導を応用した研究が期待されている。
この研究成果は、4月25日に「Scientific Reports」に掲載された。
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