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九州大、神経障害性疼痛の原因となるタンパク質を特定
今回の研究で明らかにされた神経障害性疼痛の仕組を示す図(九州大学の発表資料より)[写真拡大]
九州大学の井上和秀主幹教授・津田誠准教授らは、神経障害性疼痛(神経の損傷によって慢性的な痛みを伴う)を引き起こす原因タンパク質がIRF5であることを明らかにした。
神経障害性疼痛は、癌・糖尿病・脳卒中などによって神経に障害が起きた際に引き起こされる症状で、服が肌に触れただけで強い痛みを感じることがある。これまで、その発症メカニズムや治療法は明らかになっていなかった。
今回、井上主観教授らは、神経を損傷させたマウスを使って実験をおこなったところ、脳や脊髄の免疫細胞と呼ばれているミクログリア内でのみ、IRF5というタンパク質が増加していることが分かった。
また、IRF5が欠損しているマウスでは、神経損傷後の痛みが軽減されていることも明らかになった。これは、IRF5がミクログリアを「痛みモード」に切り替える役割を果たしていることを示している。
今回の研究成果は、神経障害性疼痛の全容解明と治療薬開発への応用が期待される。
なお、この内容は5月13日に英国科学誌「Nature communications」オンライン版に掲載された。
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