【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ゲームカード・ジョイコHDは高配当利回りや低PBRで下値は限定的

2014年5月7日 09:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  遊戯機器関連のゲームカード・ジョイコホールディンス <6249> (JQS)の株価は、1500円台でのモミ合いから下放れの形となったが、高配当利回りや低PBRが支援材料となって下値は限定的だろう。5月9日予定の決算発表が接近して、今期(15年3月期)の収益改善に対する期待感が高まる可能性もあるだろう。

  パチンコ用プリペイドカードシステム首位の日本ゲームカードと、業界初のコイン型ICカードを採用したジョイコシステムズが11年に統合した持株会社である。パチンコ用カードユニットやパチスロ向けメダル貸機などの機器売上、カード収入、システム使用料収入が収益柱である。無借金経営であることや自己資本比率の高さ(13年3月期63.8%)など健全な財務基盤も特徴だ。

  プリペイドカードシステムの業界最大手(加盟店舗シェア5割強)で、カードユニットやメダル貸機は各台計数システム対応の普及が本格化している。中期成長に向けては、パチンコ・パチスロ関連業界全体での市場活性化への取り組み強化、主力商品である各台計数システム対応カードユニット&メダル貸機「B∞LEX」シリーズの機能拡張、プラズマクラスターイオンユニットの機能拡張、事業領域拡大を視野に入れた革新的新商品・新サービスの開発などを掲げている。

  前期(14年3月期)連結業績見通し(5月10日公表)は売上高が前々期比17.6%減の326億円、営業利益が同83.9%減の4億30百万円、経常利益が同85.1%減の4億円、純利益が同89.4%減の1億70百万円の大幅減収減益としている。パチンコホールの設備投資マインド低下、パチスロ向けメダル貸機の入れ替え需要一巡などで、機器販売台数が大幅に減少する。さらに既存商品の機能拡張や次世代の新製品・新サービス開発で研究開発費が増加する。

  ただし来期(15年3月期)については、前期の収益悪化の主因となった機器販売台数が持ち直し、新製品・新サービス開発に向けた研究開発費もピークアウトして、収益の大幅改善が期待されるだろう。

  株価の動きを見ると、1500円~1600円近辺の小幅レンジでのモミ合い展開が続いたが、3月期末配当権利落ち以降は水準を切り下げた。足元では1500円を割り込んでモミ合い下放れの形となり、5月2日には1460円まで調整する場面があった。カジノ法案の今国会での成立が見通せなくなったとの報道が弱材料視された可能性もあるだろう。ただし依然として小動きであり、失望売りが膨らんだ状況とは言えないだろう。

  5月2日の終値1468円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS11円92銭で算出)は123倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は4.1%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS2930円54銭で算出)は0.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が戻りを押さえる形だが、依然として小動きであり、高配当利回りや低PBRも支援材料となって下値は限定的だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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