論文データの不正操作疑惑、京大の山中教授にまで飛び火

2014年4月30日 20:23

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 STAP細胞問題の余波で論文データの不正操作や論文のコピペといった問題が注目されるようになっているが、2012年にノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授に対しても論文に不正があるのではないかという声が上がっている(NHKニュース)。

 問題とされているのは14年前に発表した論文で、ネット上で「不自然な画像がある」との指摘があったそうだ。しかし、京都大学iPS細胞研究所の調査では指摘された「画像の切り貼り」は確認されず、また実験が行われていたことも山中教授の実験ノートで確認できたとのこと。ただ、当時の共同研究者の実験ノートは保存されておらず、そのためにデータ自体は示すことができないという。

 山中教授はこれについて、「責任者はあくまでも私で、今から思えばすべてのノートを私が持っているべきだった」と述べるとともに、「当時の自分の実験ノートは、日付に年が書いていないし、記載も決して十分とは言えず、昔の自分が恥ずかしく思う」とし、研究ノートを保存できていなかったことについて謝罪している。

 ネット上では匿名で運営されている「論文検証サイト」があり、山中教授の論文に対し指摘を行ったのもこのような匿名の告発ブログだったという(ITmedia)。ITmediaの記事でも述べられているが、このようなネットのサイトは不正の発見に一定の効果はあるものの、不正のない論文に対しても疑義をかけてしまう可能性がある。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス

 関連ストーリー:
STAP問題調査委員長が執筆した論文に対し画像修正疑惑が挙がる 2014年04月25日
STAP事件の余波で論文のコピペ問題とその対策が注目される 2014年04月23日
STAP細胞問題、笹井CDB副センター長が会見 2014年04月16日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事