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【4月27日、さくらフィナンシャルニュース=東京】また、4人の誤認逮捕の後の「逮捕」という反動で、「片山氏が真犯人である」という嵐のような報道が起きたこと。報道の命は真実であるはずなのに、日本の報道機関は、捜査当局が認定したものを無批判に報じているのではないかということも付け加えた。
「事実、警察は、状況証拠だけで片山氏を逮捕したのです。誤認逮捕を受けて、警察・検察は反省するどころか、雪だるま式に暴走を重ねているのが実態です」(佐藤弁護士)
犯人は遠隔操作するため、アメリカのドロップボックスのサーバーを用いている。警察庁は米・FBIに捜査協力を求め、捜査は国際的に行われたことになる。しかしその内容は、国際的に誇れるものかと、疑問を投げた。
《佐藤弁護士の主張する片山被告無実の理由》
1、犯人は本件で用いられたトロイ型のマルウェアをイチから作成したとされる。片山氏はプログラマーだが、マルウェアに関する知識もなければ、本人のパソコンからもマルウェアにアクセスした履歴など痕跡が残っていない。マルウェアの開発はどう考えても不可能。犯人なら、マルウェアの開発に携わったコンピュータは完全に破壊しなければいけないが、警察・検察によると、会社のコンピューターで開発を行ったと主張している。会社のコンピューターにマルウェア開発の痕跡は残っていない。
2、江ノ島の猫のクビにSDカードをつけ、その写真を撮ってメール送信したとされているが、SDカードを首輪に付けるために使われたセロテープから検出されたDNAからは、片山氏のDNAとは一致していない。
3、江ノ島のビデオ映像では、片山氏は終始手袋をしているが、その時手にしていたのはスマートフォン。手袋をしたままスマホで写真を撮るのは不可能だが、検察官は「デジタルカメラで(撮影は)可能だ」と譲らない。
4、真犯人なら、逮捕後、片山氏の周辺から山のように証拠が見つからなければいけないのに、何ひとつ見つかっていない。
最後に佐藤弁護士はこう締めくくった。
「片山氏の無実は明らかだが、4人の誤認逮捕を受けて行った逮捕なので、捜査当局にとっては、片山氏は「真犯人」でなくてはいけない人物。サイバー犯罪という科学技術の発達とともにうまれた新しい犯罪で、日本の警察・検察は面子のためだけに片山氏を犯人に仕立て上げようとしている。文明国でそのようなことが許されていいはずはない」
本件の裁判長は、刑事第4部ABE係の大野勝則氏(司法修習所第39期)が担当している。また、片山被告が発表した声明については、後日、掲載する予定だ。【了】
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※この記事はSakura Financial Newsより提供を受けて配信しています。
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