月探査機LADEE、ミッション完遂 月の裏側に落下

2014年4月23日 12:00

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記事提供元:sorae.jp

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   米航空宇宙局(NASA)は17日、月探査機LADEE(ラディ)を月面に落下させ、223日間に渡るミッションを完了した。

  LADEEは、NASAのエイムズ研究センターによって開発された月探査機で、LADEEというのはLunar Atmosphere and Dust Environment Explorerの頭文字から取られている。その名前からも分かるように、月の表面に存在するごくごく僅かな大気の構成や変化、また表面上にある塵の構成を観測し、月の環境jを理解するとともに、将来の月探査機の運用に役立たせることが目指されていた。またレーザー光を使用した通信の実験も行った。

  LADEEはオービタル・サイエンシズ社が運用するミノタウロスVロケットに搭載され、アメリカ東部夏時間2013年9月6日23時27分(日本時間2013年9月7日12時27分)、アメリカ・バージニア州のワロップス島内にある中部大西洋地域宇宙港(MARS)の0B発射台から打ち上げられ、軌道に投入。その1か月後、月を周回する軌道に入り、11月10日から科学観測を始めた。

  今年3月には予定していた100日間の観測を完了、しかしまだ探査機の状態が良好であったことから、延長ミッションに入った。4月上旬には軌道高度をさらに下げ、月面にかつてないほど接近して観測を実施、そして4月11日には、月の裏側へ制御落下させることを目的とした軌道変更を実施した。また4月14日から15日にかけては月食、つまり月から見れば日食となる期間を経験、探査機に光が当たらないことで太陽電池による発電ができず、また低温に曝されることとなったが、無事に乗り切った。

  落下時刻は太平洋夏時間2014年4月17日21時30分から22時22分(日本時間2014年4月18日13時30分から14時22分)頃と推定されている。

  今後、正確な落下位置と時間が調査され、またその結果に基づき、NASAが運用する月探査機ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)によって、落下地点の撮影が行われる予定だ。

 写真=NASA。

 ■NASA Completes LADEE Mission with Planned Impact on Moon's Surface | NASA
http://www.nasa.gov/ames/nasa-completes-ladee-mission-with-planned-impact-on-moons-surface/

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