【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォコムは、電子書籍配信が計画以上に好調で中期成長力を評価

2014年3月27日 09:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  ITソリューションやコンテンツ配信などのインフォコム <4348> (JQS)の株価は水準を切り下げたが、調整のほぼ最終局面だろう。電子書籍配信サービスが計画以上に好調であり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。

  企業向けにITソリューションを提供するITサービス事業、一般消費者向けに各種デジタルコンテンツを提供するネットビジネス事業を展開している。重点領域として電子書籍配信などのネットビジネス事業、医療機関・製薬企業向けヘルスケア事業、Web-ERPソフト「GRANDIT」事業を掲げ、クラウドサービス関連、ソーシャルメディア関連、ビッグデータ領域のデータサイエンス関連、農業IT化関連なども強化する方針だ。

  06年に開始した電子書籍配信サービス「めちゃコミック」は13年8月から各携帯キャリア公式サービス1位を独占している。ネットビジネス事業を分社化して設立したアムタスは、13年11月にマルチデバイス対応の新たな電子書籍配信サービス「ekubostore(エクボストア)」も開始した。

  3月20日にはアムタスグループ内での事業再編を発表した。食品EC事業を展開する持分法適用関連会社のドゥマンを連結子会社化し、連結子会社のイー・ビー・エス(EBS)が展開するアパレルEC事業をドゥマンへ譲渡して事業統合する。EC事業の基盤共通化や運営効率化で成長を目指す方針だ。

  M&Aや戦略的アライアンスも積極活用している。13年9月に医薬品業界向けCRM事業強化に向けてミュートスと合弁会社インフォミュートスを設立し、BCP(事業継続計画)分野のビジネス拡大に向けて危機管理関連ソリューションを手掛ける江守商事 <9963> との協業を開始した。またゲーム配信サービスでは韓国ユビヌリ社と協業して韓国市場にも参入している。

  今期(14年3月期)の連結業績見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比7.0%増の400億円、営業利益が同2.8%増の36億円、経常利益が同3.2%増の36億円、純利益が同5.8%増の22億円としている。成長に向けた先行投資負担で小幅営業増益にとどまるが、電子書籍配信サービスの好調やヘルスケア事業の業容拡大が牽引する。

  なお3月26日には、ネットビジネス事業の電子書籍配信サービスで今期売上高が計画を上回るスピードで100億円に達したと発表している。通期見通しに対する第3四半期累計(4月~12月)の進捗率はやや低水準だったが、利益面で第4四半期(1月~3月)の構成比が高い収益構造のためネガティブ要因とはならず、電子書籍配信サービスの計画以上の好調も寄与するだろう。

  来期(15年3月期)は、電子書籍関連など重点分野の一段の業容拡大に加えて、14年2月に配信開始したソーシャルゲームのファンタジーRPG「マギ Dungeon & Magic」の好調も本格寄与して好業績が期待される。

  なお2月13日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限30万株、取得価額総額の上限3億円、取得期間14年2月14日~14年3月20日)については、3月13日時点の累計で取得株式総数が30万株、取得価額総額が2億7636万5800円となって終了した。

  株価の動き(13年10月1日付で株式200分割)を見ると、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で1月21日の戻り高値1052円から2月4日の777円まで急落した。2月下旬に一旦は970円台まで戻したが、再び全般地合い悪化の影響で水準を切り下げ、3月20日に793円まで調整する場面があった。ただし終値では800円台を維持して2月安値水準まで下押す動きは見られない。売り一巡して調整のほぼ最終局面だろう。

  3月26日の終値813円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS79円60銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円50銭で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績に株式200分割を考慮した連結BPS641円83銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が8~9%程度に拡大して売られ過ぎ感も強めている。反発のタイミングが接近しているようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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