日立、原発用のロボット2種を開発 燃料取り出しに向け調査

2014年3月10日 18:06

印刷

日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーが開発した、福島第一原子力発電所の調査用ロボット。

日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーが開発した、福島第一原子力発電所の調査用ロボット。[写真拡大]

 日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーは10日、福島第一原子力発電所の調査に利用される水中走行遊泳型ロボットと形状変化型ロボットを開発したと発表した。

 両社によると、二種のロボットは、資源エネルギー庁が補助事業として進めている福島第一原子力発電所での燃料取り出し作業に用いるための遠隔装置の開発に先立ち、各種調査に用いるために開発したもの。

 人間が作業することができない障害物や構造物に囲まれた狭い空間で移動でき、冷却水の漏えい箇所の調査や燃料状態の調査に活用することができるという。

  水中走行遊泳型ロボットは、水で満たされた発電所建屋内を調査するためのロボットで、原子力発電所の滞留水の漏えい箇所を水中から調査する装置として活用できる。

 形状変化型ロボットは、平面の安定走行に加えて狭い配管の通過もできるロボット。原子炉格納容器内部の走行を想定した試験では、直径100mmの配管を通過できること、格子寸法25mm×90mmの格子状の鋼材上を走行できることなどが確認できているという。

 福島第一原子力発電所では、圧力容器内に冷却水を継続的に注入しているが、冷却水の一部は、発電所建屋の地下階などに漏えいし、放射性物質を含む滞留水となっている。滞留水は、放射性物質や塩分除去などの浄化作業を経てタンク内に保管されているが、滞留水を減少させるには、原子炉建屋内での漏えい箇所を特定し、補修(止水)することが必要となっている。

関連記事