関連記事
トヨタ、世界初の1,000万台販売なるか!? 最大のライバルとは
1月23日、トヨタ自動車は今年の販売台数計画を1,032万台と発表した。同社の昨年の世界販売台数は998万台で、米国のゼネラルモーターズ(GM)、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)を抑え、2年連続で世界一の座をキープしている。競争が激化する自動車市場で、トヨタは世界初の1,000万台越えを達成できるか?
【米国、中国で販売が好調】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、販売台数1,000万台越えを目指すトヨタの楽観的見通しは、世界の自動車市場が回復を見せており、一部の成熟市場および新興国市場において、今年に入って自動車の需要が堅調なことによるという。
ブルームバーグによれば、トヨタの最大の市場である米国では、レクサスとサイオンを含むトヨタ車は、昨年は前年比7.8%増の224万台が売れ、2007年以来最高を記録した。カムリ・セダンは、ホンダのアコード、日産のアルティマ、フォードのフュージョンを抑え、全米ナンバーワンの座を12年連続で守っている。
業界全体で販売台数が前年比10%増と予測される中国も、期待の市場だ。2012年、尖閣問題に端を発した反日行動で、セールスは4.9%減となったものの、トヨタは今年の中国での販売台数が110万台に達すると予測している。中国市場向けに製造した車種の投入で、セールスアップを期待する。
【トップ3の競争も激化。新車種への投資も拡大】
好調のトヨタを追うのが、GMとVWだ。AP通信によると、昨年の世界販売台数は、GMが971万台、VWが950万台となった。トップ3の販売台数はいずれも僅差で、競争は熾烈だ。
ブルームバーグは、2008年にトヨタに抜かれるまで70年あまりに渡って世界販売トップの自動車メーカーだったGMは、事実上の経営破たんと国有化を乗り越えて復活したと報じている。現在のGMは多くの新型またはリニューアル車を投入し、ラインナップを刷新して変身を遂げたと述べている。
またVWは、トヨタとGMに追いつくため、北米で大規模投資をし、2018年までに100万台の販売を目指すと発表した。VWは2018年に世界で最も売れている自動車会社になるというゴールを設定しているという。
【世界一でも控え目なトヨタの姿勢】
AP通信は、“世界一の事実を自慢することなく、以前と変わらず一台、一台、世界のお客様に気に入ってもらえるよう車作りをしている”というトヨタのコメントを紹介し、その姿勢がいつもながら控えめだと評している。
また、ブルームバーグは、トヨタの豊田章男社長の手腕を評価し、昨年が彼にとっての転換点であったと分析する。2009年、トヨタが59年ぶりの最終赤字に陥った後に社長に就任した豊田氏は、その後何年にも渡って大規模リコール、天災、円高、日本製品ボイコットというトラブルに苦しめられ、やっと、「災難のない1年」という望んでいたものを手にしたと述べている。
2014年がトヨタにとってさらに良い年となるか、海外紙も注目している。
トヨタ対VW(フォルクスワーゲン) 2020年の覇者をめざす最強企業
■関連記事
・トヨタのハイブリット車、総販売台数600万を突破 欧米で大人気の理由は?
・60%の中国企業幹部、「日本企業と取引できない」
・「トヨタのプリンス」豊田章男社長に海外紙が注目 その功績と今後の課題とは
・絶好調トヨタ、しかしアジアの売上は停滞 海外紙は課題山積みのアジア戦略を指摘
・日本車メーカー、円安でも米国生産「過去最高」の理由とは? 海外紙が背景を分析
・尖閣だけのせいではない 日本車メーカー、中国市場で劣勢の背景とは
・トヨタvs日産vsホンダ 東京モーターショーで見せたスタイルの違いとは
・“カルト的な地位”? 米国でスバル絶好調の背景とは
※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク