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“消費増税で日本経済失速の危機に” ノーベル賞スティグリッツ教授が警告
安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、スイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で基調講演を行った。アベノミクスによる急進的な政策が既に大成功をおさめたと主張、「日本経済は長く続いたデフレから、脱け出ようとしている。今年は、春に賃上げがあるだろう。久方ぶりの賃金上昇で、消費が伸びる」と述べた。
このように日本政府は、法人税を引き下げることで賃上げが実現し、消費が伸びることを期待している。だが、海外メディアは、4月に行われる8%への消費税率の引き上げに対して、懸念を表明している。
【海外メディアが表明する懸念】
英テレグラフ紙によれば、ノーベル賞経済学者のジョセフ・スティグリッツ教授は、経済の回復が安定状態に入る前に消費税率を引き上げる安倍首相の「リスキーな戦略」のせいで、日本経済は今年、失速の危機に見舞われるだろうと述べた。
教授はダボス会議の席上で、今回の消費税率引き上げは、前回1997年の時と同様に時期尚早であると語ったという。教授は、「日本では増税の予告により、駆け込み購買が行われており」、今春以降は販売が落ち込むと見る。賃上げについても、「これがアメリカだったら無理だろう。企業はボーナスを上げる。それはおそらくイギリスでも同じだ」と同紙に対して語った。
日本は昨年11月には0.8%のコアインフレーション(変動の激しい食料・エネルギーを除いた物価上昇)となっているが、これは円安による輸入価格上昇のせいで、景気回復が持続的かどうかは依然不明、高賃金への転換の兆候は未だ見えない、と同紙は報じている。
国際通貨基金(IMF)は、21日に最新の世界経済見通しを発表したが、ザ・ディプロマット誌は、日本の経済成長は財政面からの景気刺激策と輸出の好調によるもので、消費と投資がついてきていない、という同基金ブランシャール調査局長の見方を伝えている。
【日本景気後退が海外にもたらす影響は】
CNBCは、資産運用会社シュレーダーのエコノミストによるシナリオを紹介している。
増税によって日本の景気が後退する結果、日銀がさらに大規模な量的緩和策を行わねばならなくなり、円が1ドル130円のレベルにまで下落するだろう。そこまで下がると、円は2つの不都合をもたらす。1つは日本の輸入需要が減退することであり、もう1つは日本の輸出が有利になって日本製品の魅力が増すことだ。
日本企業が円の下落による低価格を利用すると、競合のアジア諸国はシェアで圧迫されかねない、とこのエコノミストは見ている。ザ・ディプロマット誌は、日本がデフレ脱却の努力を重ねる一方で、ヨーロッパでは物価が下落するおそれがある、というIMFの見方を伝えている。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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