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ダイナムJH Research Memo(3):革新的で新しいことにチャレンジしながら業界をリード
*10:25JST ダイナムJH Research Memo(3):革新的で新しいことにチャレンジしながら業界をリード
■会社概要
(2)沿革
ダイナムジャパンホールディングス<HK06889>のパチンコホール事業を担っているダイナムは1967年に、現取締役会議長である佐藤洋治(さとうようじ)氏の父により、佐和商事として設立された。68年に創業者が亡くなったため、当時はダイエー<8263>に勤務していた長男の佐藤洋治氏が24歳で事業を継ぎ、業容を拡大させてきた。
ダイナムの沿革を見ると、同社が常に革新的で、新しいことにチャレンジしながら業界をリードし続けてきたことが明確に理解できる。新たな取り組みは大卒の新卒採用、郊外型店舗・ローコスト店舗の開店、労働組合結成、低貸玉営業の開始など、枚挙にいとまがない。
そうした中で特に注目すべき重要なポイントは、(a)「ペガサスクラブ」に加盟したことに象徴されるように、同社の店舗開設及び店舗運営についての考え方が小売業の「チェーンストア理論」に基づいていること、(b)アナリスト説明会開催や格付取得(1997年に取得)に象徴されるように、同社が非常に早い時期から証券市場への株式上場を意識してきたこと、の2点である。
チェーンストア理論に基づく経営スタイルは、同社の様々なところに反映されており、同社の活動の意味を読み解く際の重要なカギとなる。後に詳述する「出店モデル」の緻密さに最も典型的に発現していると言えよう。
チェーンストア理論導入に至ったのは、取締役会議長の佐藤洋治氏に負うところが大きい。同氏は大学在学中に「流通革命」という新しい潮流に触れ、それに感銘を受けてダイエーに入社した。入社後早い時期から、店舗運営改善についての論文やレポートを上司や会社上層部に提案するなどして、ダイエー創業者の故・中内功 氏の目にとまったという逸話も残る。その後、佐藤氏は創業者の父の跡を継いで佐和商事の経営に携わるが、ダイエーを退社してからもペガサスクラブ(チェーンストア経営研究団体で大手流通業の経営者が名を連ねた)に通ってチェーンストア理論を学び続けた。それが企業文化として根付き、実際の店舗開発・店舗運営で成果を出し続けて今日に至っている。
また、同社は20年以上前から株式上場を意識し、株式上場に向けて様々な努力をしてきた。そのことの意味は、次の2つの点で非常に大きいと考える。1つは、同社の経営が、コンプライアンスという言葉が今のように一般的になる前から、それを意識してきたということの証左の1つであるということだ。同社はパチンコホール業界に対する懸念を完全に払拭すべく、内部統制の充実に努めてきた。それが今日の法務・リスク管理・内部監査等の部門に100名を超える人員を配置しているという組織体制につながっている。
株式市場を意識してきたことのもう1つの意義は、株主重視の経営である。同社は業界初の労働組合を結成するなど、広くステークホルダー(ダイナムグループでは「信頼関係者」と呼んでいる)を重視する経営を行っていると言えるが、なかでも株主に対する意識の高さは注目できる。同社は今後10年間で、店舗数シェア10%を獲得して1,000店体制にするという目標を掲げており、言わば成長段階にある。通常であれば「成長企業」というのは、獲得した利益を成長投資に優先配分し、株主には成長に伴うキャピタルゲインで報いるというのが一般的だ。しかし、同社は高い成長目標を掲げつつも、配当性向を45~50%にするという方針を表明し、高成長と高配当の両立を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《FA》
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