【鈴木雅光の投信Now】魅力高い太陽光REITに注目

2013年12月16日 12:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  日本取引所グループは2015年に、インフラファンド市場を創設する動きを見せている。インフラファンドとは、たとえば太陽光発電などの再生可能エネルギー施設や、公共施設の使用権を組み入れて運用するファンドのことだ。

  従来、太陽光発電施設などは、不動産に該当するものかどうかという点が微妙だったため、J-REITの投資対象には含まれていなかった。それが、2014年春に予定されている投資信託法の改正によって、J-REITを通じて再生可能エネルギー施設への投資が可能になる。太陽光発電施設に投資するファンドが、J-REITに区分されるのか、それとも新しく登場するインフラファンドに区分されるのかは、現時点では分からないが、投資家にとっては魅力的な投資対象になる可能性がある。

  それは、再生可能エネルギーに関して適用されているFIT(フィードインタリフ:固定価格買取制度)によるものだ。たとえば太陽光発電の場合、2013年度価格では今後20年間にわたり、1キロワットアワーにつき37.8円での買取価格が適用されている。これは、20年間という長期にわたって国が買取価格を保証しているので、見方によっては、国が利払い保証をしている20年国債と同等のクレジット価値を持つことを意味する。

  太陽光発電を行うには、発電施設を造る必要がある。そのコストに対して、20年間にわたって適用されるFITから得られる収益のリターンは、年利回りベースで8~9%程度。対して20年国債の年利回りは1.6%程度だ。FITで得られるリターンが、太陽光発電施設に投資する太陽光REITの配当利回りと同じで、かつ20年国債と太陽光発電のFITが同じクレジット価値を持つと仮定すれば、太陽光REITの配当利回りは、20年国債の利回りに近接するはずだ。

  もし、太陽光REITの配当利回りが、20年国債の利回りである1.6%に近接したら、太陽光REITの価格は大きく上昇する。これから到来するであろうインフレ時代を乗り切るための投資対象として注目したい。(鈴木雅光=証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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