ロシアの核弾頭は米国で原子力発電に使われていた

2013年12月13日 16:32

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 過去20年間、米国で消費された電力の約10%はロシアの核弾頭から作られていたそうだ(nprUSEC本家/.)。

 これは「The Megatons to Megawatts Program」と呼ばれるプログラムによるもので、核弾頭に使われる高濃縮ウランを低濃縮ウラン(LEU)にリサイクルし、商用発電所に販売するという内容だそうだ。この米露間取引は冷戦終了後の1993年に行われたという。

 当時のロシアの原子力産業は約1万人の労働者を抱えながら賃金の支払いができないという資金不足に陥っていたという。そのため、ロシアは約500トン高濃縮ウランを米国に80億ドルで販売するという契約に合意したとされる。このプログラムは20年間続けられ、今年の12月に予定されていた最後の燃料が出荷、米国の施設に到着。約2万発の核弾頭用の高濃縮ウラン約500トンがすべて電力として再利用されたことになるとのこと。

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