東北でSL復活、列車名は「SL銀河」 来年4月以降に営業運転開始

2013年11月6日 19:25

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列車内空間(左)、ギャラリー(右上)、プラネタリウム(右下)のイメージ(画像:JR東日本)

列車内空間(左)、ギャラリー(右上)、プラネタリウム(右下)のイメージ(画像:JR東日本)[写真拡大]

  • 客車外観のイメージ(画像:JR東日本)

 JR東日本は、東北地方における観光面からの復興支援および地域活性化を目的として、蒸気機関車(SL)の「C58 239」を復元し、SL牽引の新しい列車をプロデュースしているが、今回、同列車の名称と、客車の車内空間の重要な要素であるインテリアおよびエクステリアデザインが決定したと、6日発表した。

 SL「C58 239」を復元し運行する列車は、釜石線の花巻-釜石間を中心とした東北エリアで運行する予定。牽引する旅客車については、釜石線沿線を舞台に描かれた宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を代表的なテーマとして列車全体をプロデュースしており、宮沢賢治の世界観や空気感、生きた時代を共有することで東北の「文化・自然・風景」を感じることができる車内空間とする予定。このため、今回新たに運行する列車の列車名は「SL銀河」とした。営業開始時期は2014年4月以降を予定している。

 「SL銀河」は4両編成(機関車除く)で、座席は180席を予定している。運転日については、臨時列車として土休日を中心に年間80日程度の運行を予定している(釜石行き40日程度、花巻行き40日程度)。

 列車内スペースは、「東北の文化・自然・風景を通してイマジネーションの旅へ」をデザインコンセプトとし、先人が造り出したSLや大正ロマンから現代への長いつながりと、宮沢文学のように自然や動物と調和し、互いに尊重しながら共存していくことを感じる空間とする予定。

 具体的には、宮沢賢治の生きた大正から昭和の世界観の中、ガス灯風の照明やステンドグラス、星座のパーテーションなど、緩やかな個室感と柔らかな光の中でゆっくりと非日常を満喫することができるインテリアデザインとする。南部鉄器風の鋳肌(荷棚)など、ディテールには沿線の伝統形状をモチーフにここでしか体験できない空間を演出する。

 列車内のコンテンツについては、宮沢賢治関連の展示のほか、沿線や東北ゆかりの品々の展示を予定している。その他にも小型プラネタリウムや月や星にまつわる展示などを計画している。

 客車の外観デザインについては、夜空をイメージしたブルーをベースとし、そこに銀河鉄道の夜に登場する星座や動物をシンボル化し、演出する予定。

 なお、エクステリア・インテリアデザインは工業デザイナーの奥山清行氏(KEN OKUYAMA DESIGN代表)がプロデュースする。

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