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派遣社員の苦情、「賃金」よりも「人間関係・いじめ」
派遣社員の職場に対する苦情は「人間関係・いじめ」が最多で、4年前の調査と比べて増えていることが厚生労働省による調査で分かった。一方で賃金や就業時間、時間外労働などに対する苦情は減少傾向にある。
現在、派遣労働者がいる事業所は全体の約1割。そのうち「過去1年間に派遣労働者からの苦情の申し出を受けた」事業所の割合は4%で、苦情の内容は「人間関係・いじめ」が51%と最も多かった。次いで「業務内容」31%、「指揮命令関係」23%の順となっている(複数回答)。
ちなみに「過去1年間に苦情の申し出を受けた」事業所は4%と少ないのに対し、「過去1年間に現在の派遣先に苦情を申し出たことがある」派遣社員は14%と、3倍近く開きがある。事業所側が派遣社員の訴えをきちんと受け止めていない可能性もあるが、調査票の違いも関係している可能性がある。
「派遣社員」への調査票には「賃金への苦情を申し出た」という回答項目が用意されているにも関わらず、「事業所」に対する調査票には、そもそも「賃金への苦情を受けた」という回答項目が存在しないのである。こうした違いが、苦情を認識する事業所が少ない要因のひとつかもしれない。
「派遣社員が訴えた主な苦情」をみると、「人間関係・いじめ」が25%と最も高く、次いで「賃金」23%、「業務内容」21%の順となっている。ちなみに男女別でみると、男性では「業務内容」が22%で最多だが、女性では「人間関係・いじめ」が29%で最も高かった。
派遣社員の「平均賃金」は1351円。4年前と比べて60円ほど上昇している。「大きく賃下げされた」という印象があまりないためか、賃金に対する評価は「満足していない」35%、「満足している」34%、「どちらとも言えない」27%と、バラバラに分布している。ちなみに「賃金に満足していない」理由は、「派遣先で同一の業務を行う直接雇用されている労働者よりも賃金が低いから」がトップだった。
厚労省の「平成24年 派遣労働者実態調査」は昨年10月、従業員5人以上の事業所約1万7000カ所と、そこで働く派遣労働者約1万2000人を対象に行われた。有効回答率は事業所調査で65%、派遣労働者調査で68%。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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