就活生「正直者がバカを見る」社会への不信感募らせ

2013年10月26日 11:30

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記事提供元:エコノミックニュース

NPO法人「ライフリンク」が就活生243名に対して調査したところ、約7割が「日本は正直者がバカを見る社会である」「社会はいざというときに何もしてくれない」と感じていることが分かった

NPO法人「ライフリンク」が就活生243名に対して調査したところ、約7割が「日本は正直者がバカを見る社会である」「社会はいざというときに何もしてくれない」と感じていることが分かった[写真拡大]

 「お祈りメール」に「学歴フィルター」「サイレントお祈り(不採用通知=お祈りメールすら送られてこないこと)」。これらは全て、就活生が日常的に経験したり耳にしたりするキーワードだ。就活を通して、企業のルール違反や理不尽な対応に不信感を抱く学生は多い。

 NPO法人「ライフリンク」が就活生243名に対して調査したところ、約7割が「日本は正直者がバカを見る社会である」「社会はいざというときに何もしてくれない」と感じていることが分かった。こうした社会観からか、就活生の正社員志向は97%とかなり強い。「正社員にならねば路頭に迷いかねない」「自分の身は自分で守らなければ」というプレッシャーが伝わってくる。

 企業の対応への不信感も根強い。就活生のうち7割は「就活について納得できないこと、もしくは不満に思うことがある」と答えた。その具体的な内容は、不採用の理由も明示されないまま「○○様の今後のご健闘を心よりお祈りしております」という「お祈りメール」、採用結果の通知すら来ない、またセミナーと称した会が実質的な面接だったなど、選考過程における企業の不義理な対応やルール違反に関するものが多い。

 経団連は先月、現在の大学2年生から、選考活動のスタート時期を大学4年の8月以降に遅らせることを発表した。だが調査をしたNPO法人ライフリンクによれば、問題は就活の開始時期や長短にあるのではない。「企業のルール違反や不誠実な対応が、学生の不安や戸惑いに繋がっている」という。問題の本質が理解されなければ、就職活動で悩み苦しむ学生が減ることはないだろう。

 就活中の学生からは、「就職活動はルールが分からないまま一人で参加するゲーム」、「ゴールの見えない山登り」「人生の一部でしかないのに、これで人生が決まるという錯覚を持たせるもの」など、リアルな声が聞かれた。

 警察庁のデータでは、「就職の失敗」を原因とした自殺は6年前と比べ、20代で2.5倍、「学生・生徒等」では3倍以上に増えている。(編集担当:北条かや)

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