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驚きの「脱原発」発言に省エネ関連のIPOが加わって再生エネルギー株に材料株人気=浅妻昭治
【浅妻昭治のマーケット・センサー】
あの「ライオン丸」が、またカムバックしてくるのかと驚かされた。小泉純一郎元首相のことである。10月1日に開催された講演会で「脱原発」と吼えたことが、テレビのワイドショーにまでも取り上げられたからだ。もちろんこの「脱原発」発言は、当のライオン丸の後継首相に当たる安倍晋三首相の「原発活用」政策、「原発再稼働容認」政策とは相容れない。マスコミでは、この講演会の発言に対して、「生活の党」の小沢一郎代表が、賛意を表明したと合わせて伝えられて、にわかにきな臭いムードに変わってきた。
それでなくても、10月15日に召集予定の臨時国会では、東京電力 <9501> 福島第1原子力発電所の汚染水問題が、与野党攻防の大きなテーマの一つになることは分かっていた。そこにライオン丸の「脱原発」発言であり、かつての仇敵の賛意表明のエールなのである。原発問題が、電力各社の原発再稼動に向けた安全審査の進行とともに、政局になるのかならないのか注目されることになる。「郵政選挙」で勝ち逃げした小泉元首相と、昨年12月の衆議院選挙の圧勝以来、参議院選挙の大勝、オリンピック招致の成功、消費税の増税と勝ち続ける安倍現首相との「勝ち組」の二人であり、まともに四つ相撲を取ったらどちらに軍配が上がるのか、はなはだ面白い見ものになることだけは間違いない。
ただ安倍首相だって、必ずしも「原発活用」一辺倒ではないようである。過日の訪米中にニューヨーク証券取引所で行ったスピーチでも、福島県沖で進めている浮体式洋上風力発電の実証研究事業に言及し、再生可能エネルギーの開発・導入も世界的にアピールしている。折良く、この実証研究事業は、洋上の発電装置、変電装置を海中で電気的に連結するケーブルの敷設に成功したばかりである。どうせ全般相場は、シリアへの軍事介入で譲歩し、政府機関を一時閉鎖し、債務上限引き上げ問題でデフォルト(債務不履行)のリスクにさらされるなど負け続けのオバマ大統領の動向次第で、米国で民主党・共和党の妥協がつかなければ先行き不透明となって、主力株は展開難が続くことだけは、目に見えている。ここは、「勝ち組」のライオン丸の「脱原発」発言に乗って、関連の材料株にアプローチしてみるのも一考余地がありそうだ。
しかも、良いときには良いことが重なるものである。明8日には省エネサービスを主力事業に再生可能エネルギーの電源開発も、事業展開しているエナリス <6069> (東マ)が、東証マザーズに新規株式公開(IPO)される。IPO株は、昨年12月20日以来、前週末4日まで34銘柄連続で初値が公開価格を上回って形成されるなど「負けなし」の連勝記録を伸ばしており、エナリスの公開価格も、想定価格を上回って決定されるなど人気化が見込まれているのである。
それだけではない。エナリスのIPOを前に、これまでの連勝中のIPO株とまったく逆の株価現象が示現しているのである。類似している既上場会社の軒並み高である。前週末4日には同じ省エネサービスを展開している省電舎 <1711> (東マ)、グリムス <3150> (JQS)が、ともにストップ高し、ファーストエスコ <9514> (東マ)が、ストップ高寸前まで急伸した。これまでのIPO株連勝中でも、既上場の類似会社株は、IPO株に乗り換えるために売られることはあっても、高人気化を先取りして急騰することなどとんとなかった特異なケースなのである。エリナスが、8日寄り付きに買い気配で始まるようなら、この省エネサービス株を含めて、再生可能エネルギー株の材料株人気の期待は強まろうというものである。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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