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シリア政権の化学攻撃は、ほぼ確実 その根拠は?
8月21日シリア・ダマスカス郊外ゴウタで民間人が化学兵器の被害を受けた件について、国連調査団は16日、調査結果を発表した。
各紙は、調査報告は攻撃者を直接的に特定してはいないが、政権側の手によるものであることを強く示唆していると報じた。従来、シリアのアサド政権やロシアは、攻撃は反政府勢力側によるものと主張していた。
【反乱軍に扱える代物ではない】
報告によると、攻撃に使用されたうち1種類はロシア(旧ソ連)製のM-14・140ミリロケット弾と思われ、弾片にはキリル文字が記されていた。また、別に出所不明の330ミリロケット弾も使用されていた。専門家は、イランで設計されシリアで製造されたものではないかと指摘している。
これらの型のロケット弾および発射機を反政府勢力側が保有・運用している形跡はないという。また、使用しようにも反政府側がこれらロケット弾を隠密裏に発射地点に運搬し、反撃されず安全に継続発射することは困難であるという。さらに着弾痕の調査からも、発射地点は政権側の軍事施設と考えられている。
報告は、これらのロケット弾片の大半、および被害者の血液サンプルの85%から、神経ガス、サリンの陽性反応が出たとしている。報告に載ってはいないが、調査団代表のアーケ・シェルシュトローム博士は、使用されたサリンは1995年東京の地下鉄攻撃で使用された量の35倍、かつイラン・イラク戦争でイラクが使ったよりも高品質であったと、国連安全保障理事会で証言したという。これについてマーク・ライアル・グラント英国連大使は、反政府側が「家内工業」で製造できるようなものではないと主張している。
報告は、ガスが効率良く地表に滞留し、避難先建物の低層階にも浸透するよう、気温の低い時を選んで攻撃が行われたとも分析している。報告は被害者数に言及していないが、米国は1400人以上と主張している。
【勢いづく西側陣営】
政権側に対し強硬な対応を主張してきた米英仏らは、従来の主張が裏付けられたと、勢いづいている。一方ロシアは、政権側が反政府勢力に向けて撃って全弾外れたとは考えにくいなどと、なおも反政府勢力による攻撃の可能性は残っていると主張する。
とはいえ発表2日前になって、シリアは化学兵器廃絶を目指す条約の批准を正式に表明し、また武力介入の是非を巡って対立していた米国とロシアは、条約の確実な執行を目指すことで合意していた。ひとまずシリアは20日までに、保有化学兵器に関する情報を完全開示することになっている。米国は、シリアが条約を一切遅れずに完全に履行できなければ「相応の結果」が待っていると語っている。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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