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外堀埋まった米国 シリアへの軍事介入の決行はいつか?
ケリー米国務長官は26日、シリア国内での化学兵器使用に関して「疑いの余地はない」とコメント。シリア政府側が化学兵器を使用したという見方も示している。米政府はこれまで、化学兵器の使用を「レッドライン(越えてはならない一線)」と定義してきたため、行動への圧力が強まっているとアルジャーラは報じている。今回のケリー長官の声明についても、軍事介入の可能性を示唆したという見方もある。
【オバマ大統領の懸念はイランに?】
国民の支持率が低く、国防省からも反対意見が出ている中、米国がシリアへの軍事介入の可能性を捨てない理由について、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、イランのためだと分析している。
まず、イランはシリアのアサド政権を後方支援しており、政府軍が攻勢を強めたことへの影響は大きい。アサド大統領が反体制派を制圧した際には、シリアに最も影響力を持つ国といえる。
また、化学兵器を使ったとされるシリアへ対処がなされない場合、核開発計画をもつイランも「間違った結論」にいたりかねない、と同紙は懸念を示している。すなわち、「レッドライン」というオバマ大統領のシリアに対するコメントへの、信頼性が問われることになるという論調だ。
とはいえ、もし米国が介入した場合、勝利するだけの軍事力を投入することが期待されると同紙は指摘する。さらに、政権崩壊後の混乱をおさめる責任も問われることになる。
このように同紙は、シリアへの介入をめぐる米国のジレンマを浮き彫りにしている。
【各国の見解は】
一方、シリアの同盟国であるロシアのプーチン大統領は、シリア政府が化学兵器を使用した証拠はないと主張。26日には、英国のキャメロン首相と電話会談を行った。両国は、化学兵器の使用は国際基準の違反としながらも責任の所在に関しては同意に達しなかった事をフィナンシャル・タイムズ紙が伝えている。
モスクワでの記者会見で、セルゲイ露外相は、アメリカ及び同盟国がシリアを攻撃しても、介入しないと述べた。ただ、国連安保理による承認を得ていない武力行使は国際法の重大な侵害である、とも加えている。
ヘイグ英外相は26日、化学兵器を使用したシリアへの対処は、国連安保理の満場一致の合意無しでも可能、と述べたことをフィナンシャル・タイムズ紙は報じている。同紙はまた、キャメロン英首相が議会を再招集すれば、それは今週末にも、軍事介入が検討されている事を示すと報じている。
またドイツも、国連調査団により化学兵器の使用が確認されれば、罰するべきとの意向を示したようだ。
ただし各国の武力介入は、反体制派への「支援」ではなく、化学兵器使用に対する「制裁」という位置づけになるだろう、と各紙は分析している。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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