日銀が消費増税を支持し続ける理由 切り札は本当にあるのか?

2013年8月22日 21:00

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記事提供元:NewSphere

 26日から5日間にわたり、各界59人が消費税増税可否を検討する有識者会議に先駆けて、黒田日銀総裁は計画通りの増税を改めて支持した。黒田総裁は、増税あるいは海外状況の変化が回復を脅かすならば、追加の緩和措置を「躊躇しない」と表明している。

【伏せられたカード】

 しかしブルームバーグは、その場合の追加措置というのが具体的にどのようなものか、黒田総裁は明かさなかったと指摘する。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、「『もう出せるカードが無い』などと口に出す人はゲームに勝てません」との、専門家の評を伝えた。また、4月の黒田体制発足時にやれるだけの緩和策をやった後は、日銀は政策を据え置き続けていると指摘した。

【強気の日銀予測】

 日銀政策委員会の予測では、実質GDPは2014年4月からの年度に前年度比1.3%、翌年には1.5%、成長するという。これに対しブルームバーグは、消費税増税により来年4〜6月期のGDPは年率4.3%縮小し、その後回復するとしている。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、現在、日銀の政策は効果を発揮しているように見えるが、アナリストらによれば来年前半までにそのような効果は抜け、逆風が吹き、日銀は対策圧力にさらされるだろうという。

【政権顧問は慎重姿勢だが・・・】

 有識者会議には黒田総裁自身も出席する。他には、毎年1%ずつの漸次増税を提唱している、安倍政権顧問の本田悦朗氏や、増税はアベノミクスの利点を損なうとする、同顧問の浜田宏一氏なども含まれる。

 黒田総裁はかねてより、「デフレ終了と消費税増税は同時に達成可能」と語っていた。フィナンシャル・タイムズ紙は、総裁の声明は財務省に与して安倍政権に圧力をかけるものと評している。国際通貨基金(IMF)も、世界一とされる日本の債務比率に懸念を表明している。

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