東芝、テレビ・PC事業の収益改善に向け、構造改革を実施

2013年8月4日 19:35

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記事提供元:エコノミックニュース

 テレビをほとんど見なくなってから、随分とたつ。同様な人は多いのではないだろうか。ディスプレーを眺める時間はむしろ増えているのだが、それはスマートフォンとタブレットタイプのPCである。

 

 東芝は、デジタルプロダクツ事業の収益改善、事業体質強化を目的にテレビ事業及びPC事業に関して、「利益創出に向けた集中と選択の実施」と「軽量経営体質の再構築」を柱とした構造改革に取り組むことを発表した。

 同社は昨年、デジタルプロダクツ製品の設計開発機能の青梅事業所への集約、テレビの国内アフターサービス拠点の集約などの構造改革を実施した。しかし国内市場での地上デジタル放送移行完了後の市場縮小の継続、欧州経済の低迷などに起因したテレビの需要減少・価格低下、さらに円安などの要因も重なって、テレビ事業は2期連続の赤字を計上している。

また、スマートフォンやタブレットとの競合によるPC需要の減少など、PC事業を取り巻く環境も今後一層の厳しさが予想されるとしている。そこで今年度に、テレビ事業、PC事業双方において、さらなる構造改革を推進することで、デジタルプロダクツ事業の2013年度下期の黒字化を目指すという。

 同社は、新興国市場の開拓、B to B事業へのシフト、高付加価値商品のグローバル展開などにより売上・利益の拡大を目指すとともに、経営のスリム化とコスト削減を図る。今年度策定の構造改革の実施により、昨年度実施の構造改革効果と併せて、テレビ事業、PC事業合計で12年度に対し、13年度で約100億円、14年度で約200億円の固定費削減を図り、グローバル競争で勝ち抜くための強い事業体質への転換を目指すという。

 今回決定した構造改革施策は、テレビ事業においては、新興国市場売上比率を12年度の約3割から13年度は約4割へと引き上げる。商品においては、4K対応液晶テレビに代表される大型付加価値商品の積極的なグローバル展開やクラウドサービスの提供、地域特性に合ったローカルフィット商品の継続投入など、これまで行ってきた取り組みを強化するとともに、デジタルサイネージ市場や、ホテル、病院等向けB to B事業を強化するという。

 PC事業においては、成長する新興国市場やB to B事業の拡大を実現するために、人員資源等のシフトを図り、従来のB to Cを中心としたPC事業からの転換を図るとしている。新興国市場売上比率を 12年度 の約3割か13年度は約4割へ引き上げ、B to B事業売上比率を12年度の約2割から15年度には約4割を目指すとのこと。

 軽量経営体質の再構築として、テレビ事業において、製品設計の共通化を進め、13年度中にプラットフォーム数を12年度に14だったものを9に下げ、機種数も115から67へと約4割の削減を図るとしている。またグローバル生産委託先を従来の3分の1に絞り込むことによるコスト削減に加え、機種別に自社生産・生産委託のすみ分けを進めるという。PC事業については、製品設計の共通化をさらに進め13年度中にプラットフォーム数を15に削減(12年度は20)する。

 

 テレビ事業、PC事業共に業務の効率改善や絞り込みにより、国内でこれらの事業に関わる従業員総数の約20パーセントに相当する設計開発・営業・スタフなど約400名の従業員について、今年度中に、社会インフラ事業などへの配置転換を行うとしている。

 東芝に限らず、かつては花形だったテレビの衰退はどこのメーカーにとっても頭を悩ますところだろう。(編集担当:久保田雄城)

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