【中国から探る日本株】モバイルゲームが急成長、今年も市場規模は倍増ペースに

2013年7月29日 08:04

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:05JST 【中国から探る日本株】モバイルゲームが急成長、今年も市場規模は倍増ペースに
中国のモバイルゲーム市場が急成長している。日本に比べれば市場規模はまだ小さいものの、今年上期の売上高は前年比で2倍に膨らんだ。通年でもこのペースを維持するとみられている。

28日に閉幕した中国最大規模のゲーム見本市「China Joy2013」では、今年上期の中国オンラインゲーム市場の動向が紹介された。中国出版工作者協会、米IDCなどの統計によると、同期の売上高は前年同期比36.4%増の339億元(約5400億円)。うちモバイルゲームは同100.8%増の25億元(約400億円)と、市場全体を大幅に上回る伸びを示した。なお、昨年通期でも前年比90.6%増と、ほぼ倍増している。

モバイルゲーム市場が拡大している背景には、スマートフォンの普及があるとみられ、今後もこれが成長エンジンとなる見込みだ。今年3月時点で携帯電話ユーザー数に対するスマホのウエートは30%強となっており、伸びしろは大きいと指摘されている。

また、インターネット大手のテンセント(騰訊)が近く、“中国版LINE”とも呼ばれる「微信(WeChat)」のゲームプラットホームの提供を開始する予定とされている。3億人以上のユーザーを抱える微信でのゲーム提供がスタートすれば、モバイルゲーム市場の拡大に弾みが付く見通し。

なお、日本からはディーエヌエー(DeNA)<2432>が中国に進出し、現地版「Mobage(夢宝谷)」を提供。会員は2000万人超(香港・マカオ・台湾を含む)に上ると報じられている。今年5月には、競合のグリー<3632>が中国市場から撤退したが、同社は引き続き中国市場の開拓に力を入れる方針だ。

また、テンセントを巡っては、バンダイナムコホールディングス<7832>やカプコン<9697>が事業提携し、中国でオンラインゲームをリリースする予定となっている。テンセントによるモバイルゲーム事業の強化が進めば、同分野への提携拡大も期待される。《NT》

関連記事