トヨタの女性ユーザーへの新たなる取り組みとは?

2013年6月4日 20:45

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記事提供元:エコノミックニュース

 若者のクルマ離れがいわれて久しい。自動車業界はあの手この手で彼らの購買欲を取り戻そうと必死だが、それが成功しているとは残念ながらいえないだろう。そこで近年、業界は女性をターゲットにした車種を数多く発売してきた。軽自動車ならスズキ<7269>のラパン、小型車ならトヨタのパッソあたりが、その代表格だ。そして女性ターゲットへの次なる戦略として、トヨタが自動車本体から一歩踏み込んだ取り組みをスタートさせるという。

 トヨタ<7203>は、自動車用品について新たに他業界と連携を図り、女性向け雑貨やペット用などの用品ラインナップを充実させ、販売強化に取り組むことを発表した。同社は、これまでもディーラーを通じて純正用品や子会社の取扱う一般自動車用品、ドレスアップ商品などを販売していたが、今回、他業界からも自動車用品を企画・提供してもらうことで、取扱い商品の拡充を図るという。商品は、インターネットと電話で注文可能のカーグッズ通販のインターネット・サイト「ハピカラ」を通じて販売する。また、通販カタログも用意し、全国のディーラーで配布するとともに、一部商品、一部ディーラーでは店頭販売も同時に行う。 

 現在の自動車用品マーケットは、ディーラーでの純正用品、大型量販店での一般自動車用品の販売が中心であり、品揃えやデザインも男性視点のものが非常に多い。そこで、今回トヨタとして自動車用品の販売を強化するにあたり、女性のニーズに着目し、女性ユーザーがクルマのコーディネートをして、楽しめるようなデザイン性の高い商品や、便利グッズを提供する。また、ペット市場が堅調なことから、犬を飼うユーザー向けにペット用の自動車用品を充実させるなど、ユーザーのカーライフをもっと楽しく、快適にすることを目指しているとのこと。

 まずは、立ち上げに、女性から根強い人気のあるインテリア・雑貨ブランド「francfranc」や女性向け通販として定評のある「BELLE MAISON」、さらにヨーロッパで人気のペット用品ブランド「HUNTER」、それにトヨタの子会社もハピカラ内に「カー良品」という新しいブランドを立ち上げ、一般自動車用品を提供する。このトヨタの女性ユーザーへの新たなる取り組みは、率直に言って特に新鮮味があるとは思えないが、そこは堅実なトヨタ、勝算があってのことだろう。(編集担当:久保田雄城)

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