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【ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展の視点】ベクター株価にアク抜け感、ソフトバンク系オンライゲームの好展望に注目
■今年2月には955円の高値実績
オンラインゲーム運営のベクター <2656> の4日の株価は78円安の519円まで突っ込んだことで、アク抜け感から押し目買いが活発となっている。
ソフトバンク <9984> グループで、オンラインゲーム事業を主力に、PC用ソフトウェアのダウンロード販売事業、サイト広告販売事業を展開している。ダウンロード販売事業が市場縮小などで減少傾向のため、オンラインゲーム事業をコア事業として強化している。ただし不採算ゲームが増加したためモバイル向け自社開発ゲームの運営を停止し、パソコン向けと同様に海外開発会社から日本国内での運営権を購入してサービス提供する方針だ。オンラインゲーム事業の新規タイトル投入と収益改善が課題だろう。
前期(13年3月期)業績(非連結)は前々期比31.8%減収で、営業利益、経常利益、純利益は赤字だった。12年3月に発生したサーバーへの不正アクセス事案に伴う信用力低下などが影響した。純利益はオンラインゲーム事業でのソフトウェア売却損・除却損・減損などに加えて、投資有価証券評価損計上も影響した。
業績見通しは四半期ごとの公表で、今期(14年3月期)第1四半期(4月~6月)は、売上高が前年同期比20.3%増の6億82百万円、営業利益が75百万円の赤字、経常利益が75百万円の赤字、純利益が82百万円の赤字としている。大幅増収効果で赤字幅が縮小する見込みだ。不正アクセス事案の影響が徐々に薄れていることに加えて、既存ゲームのプロモーション実施、4月以降の新タイトル投入効果などで収益改善を目指している。配当予想は未定とした。
株価の動きを見ると、2月28日の年初来高値955円まで急騰し、その後は急反落して日柄整理局面となっている。ただし、上値を切り下げる一方で下値も徐々に切り上げて、足元では日柄整理完了感を強めてきた。6月3日の終値597円を指標面で見ると、実績PBR(前期実績BPS149円88銭で算出)は4.0倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線を割り込む場面もあり、三角保ち合いの形のようだ。ただし日足チャートで見ると、75日移動平均線がサポートする形で下値を徐々に切り上げている。日柄整理が完了した可能性があり、再動意のタイミングが接近しているようだ。収益改善期待で三角保ち合いから上放れの可能性もあるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト・水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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