セブン&アイが埼玉県に燃料備蓄基地を建設、国内小売業で初 緊急配送に活用

2013年5月23日 14:25

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燃料備蓄基地のイメージ(画像:セブン&アイ・ホールディングス)

燃料備蓄基地のイメージ(画像:セブン&アイ・ホールディングス)[写真拡大]

 セブン&アイ・ホールディングスは22日、大規模災害対策の一環として、国内小売業で初めて燃料備蓄基地を建設すると発表した。

 同基地は、災害発生時の緊急物資搬送用として燃料400キロリットルを常時備蓄するもの。埼玉県北葛飾郡杉戸町にあるイトーヨーカ堂の物流センター敷地内にて5月末に着工し、年内の完成を予定している。建設費は約4億円。

 平時においては、燃料の販売・配送事業を手掛ける三和エナジー(神奈川県横浜市)が営業拠点として利用する。災害発生時は、備蓄燃料を避難所への緊急物資配送や、セブン&アイ各店舗への商品配送のために利用する。

 燃料備蓄基地タンクの総容量は800kLで、そのうち400kLが備蓄燃料となる。内訳は軽油350kL(緊急配送として利用)、ガソリン50kL(予備)。なお、軽油350kLは、災害発生時に首都圏(1都3県)のセブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークマートの全店(約5,100店舗)における約10日間分の緊急配送をカバーできる量となる。

 甚大な被害をもたらした東日本大震災では、製油所等の燃料拠点の被災、交通網の悪化等により、被災地のみならず首都圏でも深刻な“ガソリン不足”が発生した。また、政府や経済界も、災害に強い国づくりを目指す上で“燃料の供給網確保”を最重要課題のひとつとして掲げている。セブン&アイはこのような動向を重視し、平時はもとより緊急時における社会的責任ならびにBCP(事業継続計画)の観点から、今回燃料備蓄基地の建設を決定した。

 同基地により、首都直下地震等の大規模災害発生時において、被災地域をはじめとする避難所やセブン&アイ各店舗へ緊急物資・商品をより迅速・確実に配送することが可能となる。

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