三井物産と三井製糖、タイ製糖会社コンブリ社に資本参画 計約30億円

2012年12月18日 13:56

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 三井物産と三井製糖は18日、タイで製糖・発電事業を営むKhonburi Sugar Public Company Limited(コンブリ社)が実施する第三者割当増資の引受け及び新株発行予約権の取得に合意し、関連契約を締結したと発表した。

 同契約により三井物産は7億7,000万タイバーツ(約19億9,000万円)、三井製糖は3億8,000万タイバーツ(約10億円)を出資し、コンブリ社株式の11.1%、5.6%をそれぞれ保有する予定。

 コンブリ社はタイ東北部ナコンラチャシマ県に製造拠点を置き、サトウキビ250~300万トンから年間25~30万トンの砂糖を製造し、高品質の砂糖製品をタイ国内の大手食品・飲料メーカー等に供給すると同時に、近隣諸国を中心に輸出している。また、サトウキビの搾りかす(バガス)を燃料として発電を行い自社工場で必要なエネルギーを得ると共に、余剰電力を電力公社に販売し、地域のエネルギー自給にも貢献している。

 今回契約締結と同時に、三井物産、三井製糖、コンブリ社の3社は戦略提携契約を締結した。三井物産と三井製糖はタイの有力製糖会社The Kumphawapi Sugar Co., Ltd.(クムパワピー社)とKaset Phol Sugar Ltd.(カセットポン社)の主要株主として、これまで約50年にわたりタイでの製糖事業に関わってきた。同事業を通じて培った経験とノウハウを活かし、三井製糖の技術を用いた高品質な精製糖の製造や、三井物産のネットワークによる販売協力などを通じてコンブリ社の成長に貢献し、規模の拡大と強い製糖企業グループの形成を目指す。

 世界の砂糖需要は新興国の経済成長と人口増加による拡大が見込まれる一方、輸出余力のある国はブラジル、タイ、豪州等に限定されている。その中でもタイは世界第2位の砂糖輸出国であり、大消費地アジアの中にあるという地理的優位性もあり、砂糖のグローバルトレードの最重要拠点として今後の高成長が期待されている。

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