伊藤忠、南アフリカ共和国で75MWの太陽光発電事業を本格開始

2012年11月30日 16:52

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 伊藤忠商事は30日、同社が37.5%を出資するスカテック・ソーラー社(ノルウェー)が昨年12月に南アフリカ政府より優先契約交渉権を獲得した75MWの太陽光発電事業について、2012年11月5日付で20年間の売電契約を国営電力会社Eskomと締結したと発表した。

 同事業の総費用は約2億ユーロで、Northern Cape地方に太陽光発電所を建設する。Standard Bank(南ア)との間で締結した融資契約に基づく第一回の融資実行を2012年11月19日に受け、2014年1月の稼働開始を目指して着工の運びとなった。

 105haの敷地に30万枚以上の太陽電池パネルを敷き詰めて年間145GWh以上の発電量を見込んでいる。これにより、約35,000世帯相当分の消費電力を賄うと同時に、年間125,000トンのCO2削減効果が見込まれる。さらに、利益の一部を教育や公衆衛生の向上等へ還元し、地元経済にも貢献する。

 また、今年5月に実施された同国第二回入札においても、スカテック・ソーラーは計115MWの優先交渉権を落札している。同国では石炭火力への依存度が85%にも上るため、電力供給源の多角化のため2020年までに再生可能エネルギーを6GW規模まで拡大する計画であり、過去二度の入札において太陽光発電で1GWを許可している。

 さらに、スカテック・ソーラーは世界銀行傘下のIFC(International Finance Corporation)とアフリカ中部での太陽光発電事業について提携しており、同地域での事業展開を図っている。アフリカ大陸の40%以上の発電量を有する南アフリカを起点にアフリカ大陸での太陽光発電事業を推し進めていくと共に、その他地域の新興国でも同事業の積極的な推進を検討している。

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