楽天、仏大手物流事業者を買収 国内外で物流サービスを強化

2012年11月6日 21:36

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 楽天は6日、フランスの大手物流事業者Alpha Direct Services(ADS社)の全株式を取得し、同社を完全子会社化すると発表した。

 ADS社は2002年に設立された物流事業者で、高いオートメーション技術を有するフルフィルメントサービスプロバイダー。独自のイノベーションを用いた物流工程のオートメーション化により、業界最高レベルの物流オペレーションスピードと低コストを実現している。また、ECビジネスの物流に関する全工程(eストアの構築、複数の発注元からの注文及び在庫管理、配送効率化、顧客対応)を最適化することで、ネスレやロレアル、オンライン靴販売Sarenza等の大手メーカーから中小小売業者に至るまで、100社以上の幅広い顧客企業のEC事業の物流サービスを総合的に支援している。

 楽天はADS社を買収することにより、物流分野における同社の高い技術力と楽天のEC分野における経験を組み合わせることで、楽天のEC分野における物流サービスの大幅な強化を図ることができる。海外では、フランスで事業展開をする楽天グループのPriceMinister社のECサイトとADS社の物流サービスの連携をはじめとして、欧州、米国およびアジア地域を含む海外における楽天独自の総合フルフィルメントサービスの展開を本格的に強化していく。

 また、楽天は日本国内において、「楽天市場」をはじめとしたグループの物流サービスを強化するため、2010年に千葉県市川市に物流拠点を開設しており、2012年からは、商品在庫の入出荷、保管、梱包、配送、カスタマーサービス、各種付加価値サービスなどの総合フルフィルメントサービス「楽天スーパーロジスティクス」を「楽天市場」の出店店舗に対して提供している。さらに、2013年には西日本の兵庫県川西市にも新たに物流拠点を拡大し、2014年には千葉県市川市にも新拠点を開設する計画。

 楽天は、日本国内における「楽天市場」の物流拠点においてもADS社製のテクノロジーを全面的に導入していく予定で、効率性の向上も期待されている。これら一連の取り組みにより、「楽天市場」における翌日配送サービスの強化等、ユーザーの利便性の向上を目指していく。

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