日産、タイに第2の生産工場を建設 約287億円を投資

2012年11月2日 17:51

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 日産自動車は2日、110億タイバーツ(約287億円)を投資し、タイに第2の生産工場を建設すると発表した。2014年8月に稼働開始予定の新工場は、同社のアセアン地域における成長戦略をサポートし、タイ日産の既存工場を補完するものとなる。新工場の当初の年間生産能力は75,000台で、将来的には最大で15万台となる予定。

 日産の西川廣人副社長は、「タイは日産にとってアセアン地域最大の生産拠点であり続ける。今回の投資は、当社の中期経営計画である『日産パワー88』で掲げている目標のひとつである、アセアンという非常に重要な地域での市場シェア拡大および成長の維持を達成するための重要な要素となる。15万台の生産能力の追加はタイ国内市場において競争力を高めることができるだけではなく、日産にとってグローバルでの主要な戦略的輸出拠点というタイの位置づけを確実にすることができる」と述べている。

 現在日産は、サムットプラカーン県バングナ・トラットロードに乗用車とピックアップトラックの生産工場を1つ持っている。同工場の従業員数は6,000人で年間生産能力は22万台。新工場も同じバングナ・トラットロードに建設され、タイ国内および海外市場における日産車への高まる需要に応えていく。新工場の最大稼働時には、既存の工場と合わせて年間37万台の生産能力を有することになる。

 タイ日産の木村隆之社長は、「今回の投資は、タイ日産の中期経営計画『パワーアップ2016』における目標を達成する上で重要なものとなるだろう。同計画では2016年までにタイ国内の市場シェアを15%獲得することを目指している。タイ日産の事業活動を強化するということは、日産のタイ市場に対する取り組みと信頼を裏付けるものとなる。また、新工場が現地で新たに2,000名の雇用を創出するということも喜ばしいニュース」と述べている。

 日産は、タイで1952年に現地法人を設立し、同国で初めての日系自動車メーカーとなった。それ以来60年の間、タイの自動車産業の発展に重要な役割を果たしてきており、現在同国で「ティアナ」、「シルフィ」、「ティーダ」、「アルメーラ」、「マーチ」、「エクストレイル」、「ナバラ」の7車種を販売している。

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