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デジタル家電よりも注目されるべきであるデジタルヘスルケア機器
10月2日から6日までの間、幕張メッセで開催されていた「CEATEC JAPAN 2012」。次世代テレビに代表されるデジタル家電やエネルギー関連技術などに注目が集まるその会場において、それらに次ぐ注目を集めていたのが、健康や医療、福祉に関連する製品や技術である。
代表的なものとしては、CEATEC AWARD 2012の多分野のプロダクツやシステムのスマート化を支える「スマート・キーテクノロジー部門」において準グランプリを獲得した、村田製作所の「電動歩行アシストカ―」が挙げられるであろう。同社の「倒れない技術」を応用した電動アシスト機能付の2輪歩行補助具で、センサと制御技術でバランスを保って転倒を防止。傾斜をセンシングし、上り坂では軽く、下り坂ではブレーキがかかるなどの坂道歩行をアシストする機能も搭載されている。その他、RFIC・水晶SAWフィルタ・周波数コントロールユニットを一体化し、ペースメーカー等の人体埋め込み用途や遠隔監視・遠隔測定などを要する医療用途に適した短距離通信向けSAW内蔵モジュールや、アクティブRE-IDを用いることで、地下などのGPSが利用できない場所や介護・福祉施設などにおける人や物の位置を容易に検知できる屋内位置検知システムを参考出品するなど、村田製作所はこの分野に積極的な姿勢を見せていた。
同じ京都の企業であるロームは、腕や耳に装着し、LED光を当てて反射光や透過光を検出することで脈派を計測するウェアラブル脈派センサを出展。光を用いた計測では弱点とも言える外光がある屋外での計測も正確だという。一方同じ脈派センサでも太陽誘電は、センサユニットのキャビティ部を測定個所に押し当て、密閉状態になったキャピティ内部の圧力をセンシングすることで脈派を計測することが出来るワイヤレス圧力波センサモジュールを出展。血流の量を計測する光によるセンシングでは不向きな血管の強度を認知することが出来るようになるという。
ユニークなところではアルプス電気が、ワンプッシュ動作でその都度発電する発電入力&センサデバイスを参考出品。一回の操作で電波送信に十分な電力を発生させる本製品は、動作スピードに依存することなく安定した発電量を確保しているとのこと。用途は様々考えられるが、会場ではナースコールを想定。ナースコールのボタンを押すことで発電し、コールに必要な電力を賄うことが出来るという。電力不足が避けられなければならない医療現場において、必要なタイミングにそれを必要とする場所で発電可能な好例といえるのではないだろうか。
昨年の震災がなければ、エネルギー関連技術ではなくデジタルヘスルケアの分野が主役となっていたのではないだろうか。エネルギー問題は喫緊の課題であることに間違いはない。しかし、だからといって社会の高齢化のスピードが遅くなるわけではない。普及への糸口が見えない高精細テレビと比べれば、市場の拡大が見込まれ、社会問題の解決にも繋がるような健康や医療・福祉に繋がる製品や技術に、もっと注視・注力すべきではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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