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東芝のテレビ事業戦略の主軸は画質よりもサービスか
2007年下期から7期連続で黒字を継続していたものの、昨年は国内市場の急速な縮小や価格の下落により大幅な赤字となった東芝のテレビ事業。2012年度の第1四半期では前年第4四半期から大幅に改善したものの、依然として厳しい状況にあることに変わりはない。
その東芝がテレビ事業において今後の戦略として掲げているのが、"クラウドサービス拡大で「使う」TVへ"というものであり、サービス利用を収益の柱とすることである。
9月27日に東芝は、テレビ番組などの映像コンテンツを話題として共有できるソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)をコンセプトにしたサービスとして、レグザクラウドサービス「TimeOn(タイムオン)」の開始を発表。付属のリモコンなどを使ってテレビの画面から利用することができる本サービスは、「タイムシフトマシン」機能で一時保管した番組の中からシーンを検索したり、ネットで話題のシーンを再生できる「みどころシーン再生」、「気になる!シーンリスト」や「ユーザータグリスト」を使って録画番組の再生中にシーンの頭出しができる「タグリスト」、複数の友人とシーン再生情報などを交換できる「メッセージ」などのほか、サービスのプレビュー表示やポータル機能を統合した「クラウドメニュー」、複数機器の録画予約や録画履歴機能を統合した「カレンダー」、テレビの中に家族の伝言板を実現する「伝言ボード」、リビングのテレビで一緒に思い出の写真を楽しむ「クラウドアルバム」など、さまざまなサービスを展開。さらに2013年1月下旬からは、テレビ番組を起点としたSNSの実現や興味あるキーワードを選択するだけで自動的に録画予約を実現する「おまかせ録画」サービスなどを提供する予定だという。
同日に発表されたデジタルハイビジョン液晶テレビ「レグザ(REGZA)」の新商品「Z7シリーズ」、「J7シリーズ」ともに、レグザクラウドサービス「TimeOn(タイムオン)」に対応。さらに「Z7シリーズ」では、「タイムシフトマシン」でUSBハードディスク(別売)に一時保管した最大6チャンネル約40時間の番組の中から、好みに合う番組を薦める「ざんまいプレイ」を搭載しており、視聴履歴をもとにユーザーの嗜好に合わせた番組や、いつも視聴している番組がリストで表示されることで、効率よく録画番組を見ることができるという。
消費者がテレビを選択する際に重要な基準とする画質に関しては、高画質映像処理システムとして「Z7シリーズ」には「レグザエンジンCEVO Duo」を、「J7シリーズ」には「レグザエンジンCEVO」を搭載。緻密で色彩豊かな映像を再現し、さらに「Z7シリーズ」では外光反射を抑えた「アドバンスド・クリアパネル」を採用しており、明るい環境でも高いコントラストを実現しているというが、アピール度としては圧倒的にサービス面を重視したものとなっている。
事業戦略として、グラスレス3Dや4K2K、有機EL等の先端技術の推進も掲げている東芝。来年の春には第2世代の4Kが市場に投入されるとのことであるが、こちらも単に画質だけではなく、上記のようなサービスとの連動をポイントとした展開になるのではないだろうか。この戦略が吉と出るのか凶と出るのか、注目が集まるところであろう。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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