“書く”ことでより良い状況に

2012年10月1日 12:51

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 最近、サム・カーペンター著 “Work the System: The Simple Mechanics of Working Less and Making More” の書評の依頼を受けました。そこでは著者が自身の会社を`仕事‘から`ビジネス’へ移行させるときに用いた方策が紹介されています。週に何十時間も過重労働をしなければ成り立たない仕事から、週に数時間必要なものごとを投入すればそれ自体が動いていくビジネスへと、著者の会社は変わっていったのです。

 アイデアそのものはよく知られたもので、どこの組織でその変化が起こってもおかしくないものの、実際には、今すぐしなければならないことがありすぎて、その発想は脇へ押しやられてしまうばかりです。この本の著者は、次のことを“明文化”するよう企業に提案しています。

1.戦略的目標
2.経営上の一般原則
3.作業工程

 重ねて言いますが、ここで強調されているのは“明文化”するということです。最初の二つの項目を書き記すのは大して複雑ではないはずですが、最後の項目は取り掛かった当初は時間がかかります。

 しかし、日々の作業工程を微調整して記録するのは、時間をかけるだけの価値があります。基準となる文書があると全従業員の役に立ちますし、作業工程を考案しているスタッフにも現状を確認して改良すべき点がないか調べるのに助けになります。

 この本の素晴らしい点は、変更不可能な工程はないと著者が認めていることです。必要とあらば、かならず作業工程を調整し、以前に書かれた内容を更新してください。これは、筆者が顧客や聴衆に時間や空間、書類やメールを管理するための日々の基本的な手順を提案するときに念を押すことです。

 すべてがうまくいっているように見えていても、いずれは新しい情報が入ってきたり今までとは違う状況になったりするものです。どんな手順でも、常に最新の状態でいるために微調整できるはずですし、するべきなのです。

 まずは、整理することから取り掛かりましょう。どんなタイムマネジメントの方法が自分にとって最適なのか見極めて、実行します。次のステップでは、体系化されたやり方を維持します。常に手順を微調整していたら、いつでもその時々に合った状態でいられ、生産的に動けるはずです。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

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