NHKのスーパーハイビジョン映像信号の仕様がテレビの国際規格に

2012年8月27日 14:15

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 日本放送協会(NHK)は23日、次世代の高臨場感放送システムとしてNHKが研究開発を進めているスーパーハイビジョン(SHV)映像信号の仕様がITU-R(International Telecommunication Union - Radiocommunication Sector:国際電気通信連合 無線通信部門)勧告として承認され、テレビの国際規格となったことを発表した。

 SHVは3,300万画素の超高精細映像と22.2マルチチャンネルの3次元音響で構成されている次世代の高臨場感放送システム。SHV放送を早期に実現するためには、国際的に取り決められた規格が不可欠。NHKは、総務省や電波産業会(ARIB)、メーカーなどと連携して、こうした規格の策定などを行う国際標準化活動に積極的に取り組んできた。

 今回、SHV映像ならではの臨場感や実物感を再現する仕様として、水平7,680×垂直4,320の画素数や、1秒あたりのフレーム数(動画を構成している画像)60枚などに加えて、「大画面・超高精細度テレビで課題であった速く動く被写体の『動きぼやけ』を低減するための規格として、1秒あたりのフレーム数120枚を追加」、「実物に近い色再現が可能となる色域の拡張」という新しい項目が追加され、テレビの国際規格として承認された。

 また、NHKは、2012年のロンドンオリンピックにおいて、英国、米国、日本国内(渋谷、秋葉原、福島)の世界9か所でSHVによるパブリックビューイングを実施しており、臨場感あふれる映像・音響で高い評価を得ている。

 NHKは今後も国際標準化に寄与するとともに、SHV信号の伝送や家庭用視聴機器を含めたSHV放送を実現するための研究開発を加速する方針。また、SHV放送の早期実現を目指し、SHVの魅力を国内外の人々に知ってもらう周知活動にも積極的に取り組んでいく。

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