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飽和・成熟している家電市場の拡大の鍵はスマートフォン
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンが発表した、2011年の家電およびIT市場の販売動向によると、2011年の国内家電小売市場規模は約8兆5000億円。エコポイントの駆け込み需要により異例の市場規模となった2010年の9兆4000億円には及ばないものの、節電志向の高まりによる省電力製品への需要増加などに支えられ、2009年とほぼ同規模になっている。すでに飽和・成熟しているこの家電市場が、スマートフォンの普及によりさらに拡大をしそうである。
家電とスマートフォンとの連携による市場拡大に最も注力している企業の一つがパナソニックであろう。8月21日には、スマートフォンで遠隔操作できるエコナビ搭載のルームエアコンや、エコ情報が確認できるトップユニット冷蔵庫、洗剤や柔軟剤の最適設定ができるドラム式洗濯乾燥機4機種の販売を発表。また同日には、スマートフォンで測定データ管理のできる手くび血圧計・体組成バランス計・活動量計の販売開始も発表している。いずれも測定やデータ管理だけではなく、「使い方ガイド」などのサービスも提供されるという。
またオムロンヘルスケアが、世界最薄・最軽量で収納や持ち運びに便利な手首式血圧計「オムロン 自動血圧計 HEM-6310F」の発売を発表。この商品には、近距離無線通信技術NFCが搭載されているので、測定データを簡単に転送し、同社の健康管理サービス「ウェルネスリンク」を活用してパソコンやAndroidスマートフォンでデータの管理・確認を行うことができるとのこと。加えて、測定データは、おサイフケータイ機能付きのAndroidスマートフォンや携帯電話から簡単に自動転送できるという。さらにJVCケンウッドも、スマートフォンとの連携機能を搭載したパワードウーハーCDシステム「RV‐NB90‐B」を発売しており、スマートフォンや携帯電話などに収録された楽曲をワイヤレスかつ、引き締まった迫力の重低音と高音質で楽しめる環境を提供している。
スマートフォンとの連携だけでなく、ネットワーク接続機能の搭載や、基本性能の高機能化・高付加価値化などを図ったスマート家電に関する開発も進んでおり、スマートハウスとスマートフォン・家電とが連携する時代も遠い将来の話ではなくなっている。富士キメラ総研の調査によると家電製品の2017年市場は、2011年比15%増となる7兆4610億円と予測されている。飽和・成熟していた市場がどこまで拡大するのか、注目に値するのではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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